お客様の眠りの悩みを聞きながらオーダー枕を作っていて
最近気付いたことがあります。
朝の手や腕のしびれの多くは「横向き寝」が原因です。
ちなみに私は「睡眠環境・寝具指導士」を取得し
年間200個以上のオーダー枕を10年以上作っている
寝具専門店を運営していて、その経験からこの記事を書いています。
結論から言うと、朝の手や腕のしびれ対策には
- 「仰向き寝」できる環境を整える事(おススメ)
「仰向き寝」しやすい「低めの枕」と「適度な硬さの敷き寝具」で寝る事です
さらに冬場なら暖かい掛け布団で眠り、夏場は背中に熱がこもりにくい敷きパットを使う事です - 「横向き寝」時の姿勢を整える事(仰向き寝が無理な場合)
「横向き寝」しやすい「高めの枕」と出来たら抱き枕を使う事です
なぜそうと言えるのか、をもう少し詳しく書いていきましょう。
このページの目次
朝の手や腕のしびれの原因
オーダー枕を作っていると、
朝起きた時の手や腕のしびれがあるという方が時々おられます。
※指のしびれについては頸椎ヘルニアが原因で特定の指と箇所がしびれてしまう事があります。
これはまずお医者さんにご相談下さい。
ここでのしびれは「朝起きた時に手や腕全体がしびれる」というものです。
中には、起きてしばらくは手や腕の感覚がない、という方もおられました。
こういう”しびれ”を感じる方の多くは、
どちらか片方の手や腕が”しびれ”るんです。
この”しびれ”は横向き寝が原因です。
これはなぜかというと…
睡眠中のダメージの左右差は…
睡眠中に起きる体の痛みで左右の差が出るもの
(”左肩の方が痛い”とか”右手がしびれる”など)
のほとんどが「横向き寝」時の不自然な姿勢が原因です。
なぜなら、仰向き寝で寝ている状態では
体にかかる負担に左右の差がないからです。
横向き寝やうつぶせ寝で寝た場合にのみ
”首の右の筋肉はちぢんだままで首の左の筋肉は伸びっぱなし”など
体にかかる負担の左右差がでます。
→ちなみにうつぶせ寝は推奨していません。その理由などを書いています
起床時に片方の手や腕がしびれる方は
横向き寝の時の姿勢が適切でないんですね。
横向き寝時の不適切な姿勢が原因と気付いた理由
なぜ横向き寝の姿勢がよくないのでは、と気付いたかというと
オーダーメイド枕を作成する時に背中の凸凹を計測するんですが
ある時、多くの方に”肩の巻きの左右差”があるという事に気付きました。
で、お客様の眠り・寝起きの悩みをお聞きしていると
肩がより巻いているほうの腕や手がしびれたり、
寝起きの首肩の痛みに左右の差がある事に気付きました。
おっ⁈これは関連性があるのでは、
と肩の巻きに左右差があるお客様にきいてみると
共通した○○があり、
横向き寝の時の不適切な寝姿勢が原因と考えるに至りました。
最初は横向き寝の姿勢をどうやって安定させるか、
を考えていろいろご提案していたのですが
→横向き寝がラクな敷きマット
今は仰向き寝で寝られない要因を一つずつなくしていく
という事をご提案しています。
その方が結果的に安眠への近道だからです。
手や腕がしびれる方はどんな姿勢で寝ているのか
では横向き寝の時にどんな姿勢で寝ていると
朝、手や腕がしびれるのでしょうか
それはズバリ「横向き寝時に下になっている肩が折れてしまう姿勢」です。
さらに言うとそういった姿勢は
”横向き寝するには低すぎる枕”と”硬い敷き寝具”が原因なんです。
その方の肩幅にもよりますが、横向き寝する時はある程度の高さの枕が必要です。
横向き寝時の枕が低いと下になった肩が強く圧迫され、血流が悪くなるのでしびれます。
正座した時足がしびれるのと同じです。
敷き寝具が硬いと下からの方の突き上げが大きく、やはりしびれます。
座布団の上より硬い床の上で正座した方がしびれますよね。それと同じ。
また、横向き寝時の枕の高さが足りていないと
本能的に下に枕の下に手を入れて寝る方も多いです。
頭は全体重の8%以上です。
そんな重さがずっと手の上に乗っていたら血行不良でしびれます。
そもそもその方の腰のカーブに合っていない”硬い敷き寝具”は
仰向き寝が難しいため、横向き寝の時間が増えます。
そうなるともう悪いループがとまりません。ずっとしびれちゃう。
じゃ、どうすればいいのでしょうか?
朝の手や腕のしびれ対策、どうしましょう
どうすればいいかというと、
上向き寝できるようにすればいいんです。
「じゃ気をつけて上を向いて眠るようにします」という方もおられますが
寝ている間は気をつけられません。寝ていますから。
ですので”無意識でも上を向いて眠れる枕と敷き寝具”を使うべきです。
また、横向き寝は平らなものを立てている状態です。
体のどこかに力が入り不安定で熟睡できにくい姿勢と言えます。
ただし、睡眠時無呼吸症候群の方や妊娠後期の方など
上を向いて眠りにくい方もおられます。
ですので、朝に手や腕がしびれる方の対策としては2つ
- 上を向いて眠れるようにする(こちらが王道です)
- 横向き寝の姿勢を正しいものにする(上を向いて眠れない方向け)
です。
朝の手や腕のしびれ対策・①上を向いて眠る枕編
上を向いて眠れるようにするためには「枕の高さ」と「敷き寝具の硬さ」が大事です。
まずは「枕の高さ」から。
枕においては高すぎないものがおススメです。
仰向き寝しやすい枕の高さは思ったより結構低めです。
仰向き寝の姿勢を横から見た時、頭部が突出していないようにしましょう。
ちなみに江戸時代の箱枕は仰向き寝に最悪です。
あのような寝姿勢にならないように気をつけましょう。
仰向き寝の睡眠時に高い枕を使うと頭が持ち上げられすぎてしまい
肩がこるため横向き寝になろうとします。
枕の高さを自分で合わせるのは難しいので
ちゃんとしたお店でオーダー枕を作ってもらうと近道です。
当店でも作っています。
オーダー枕だと真ん中を仰向き寝用に低く、
両端を横向き寝用に高く作るの事ができるので
横向き寝の対応もできます。
朝の手や腕のしびれ対策・②上を向いて眠る敷き寝具編
先にまとめると
- 使う人に対して硬すぎる敷き寝具はダメ
- その人に合った敷き寝具の硬さは体重と腰のカーブで違う
- 柔らかいだけの敷き寝具もダメ
- 薄い敷き寝具は床の硬さを感じてしまうのでダメ
- 冬寒い・夏暑すぎもダメ
という事です。以下で詳しく説明します。
敷き寝具は使う方の体重と腰のカーブに対して硬すぎない事が大事です。
特に体重が軽く腰のカーブが大きい反り腰の女性の方は
少し柔らかめの敷き寝具がおススメです。
敷き寝具が硬すぎると仰向き寝時に腰が痛くなるなど不快なので
横向き寝をしたくなります。
その方に合った敷き寝具はそれぞれなので実際に寝てみて試すしかありません。
当店ではオーダー枕を作る時に計測する事である程度の見立てができます。
あと、寝る時のクセにでたりとか…これはご来店された時にお話ししましょう。
またその方の立った状態での写真を2枚撮影するだけで
使う方に合った敷き寝具をAIが提案してくれるシステムも導入しています。
興味がある方は来店してお尋ねください。
ここで注意が必要なのは単に柔らかいだけだと腰に負担がかかり
横向き寝してしまうという事。
柔らかいだけの敷き寝具は腰の部分が沈みすぎてしまい
腰痛の原因になりますし横向き寝の時間が増えます。
柔らかすぎる敷き寝具は寝返りがうちにくく眠りが浅くなりやすいです。
薄すぎる敷き寝具も厳しいです。薄すぎる敷き寝具は寝具を通して床の硬さを感じてしまい
腰痛と横向き寝時間増につながります。安価な寝具にありがちです。
朝の手や腕のしびれ対策・③上を向いて眠るその他の寝具編
- 冬寒すぎる掛け布団はダメ
- 夏熱がこもる敷き寝具はダメ
なんです。以下で説明します。
冬寒すぎると熱を逃がさないために本能的に体を丸めて寝ます。
体を丸めて仰向き寝する人はいないんです。横向き寝で丸まって寝ますよね。
これが横向き寝の時間増に。
また、夏場敷き寝具と背中の間に熱がこもると
暑くて不快なため横向き寝に。寝苦しい夜、よく横向き寝になっていませんか?
これらの対策には
- 冬は羽毛布団などの軽くて暖かい掛け布団で眠る
- 夏は本麻などの吸湿性に優れた涼しい敷きパットを使う
といいでしょう。
手や腕のしびれ、仰向き寝・横向き寝を考えなくても
その方が快適に寝られますよ
朝の手や腕のしびれ対策・④横向きで寝る枕編
ここからは何らかの理由で手や腕がしびれるけど
仰向き寝が困難なので横向き寝で対策していく場合です。まずは枕から。
横向き寝の時の枕はある程度高さがないと
下になった肩が圧迫されて血行不良となりしびれてしまいます。
ですので枕をまずは高くしてください。
枕つながりなんですが
横向き寝には抱き枕も有効です。
抱き枕は縦にした体を安定させる役割があって
産婦人科さんでも妊娠後期には先生に使用を勧められるようです。
朝の手や腕のしびれ対策・⑤横向きで寝る敷き寝具編
敷き寝具に関してはやはり硬すぎない事です。
下になっている肩を圧迫しにくい硬さのものがいいでしょう。
敷きマットによっては
肩が当たる部分が柔らかくなっているものもあります。
そういったマットは肩幅が大きい男性やアスリートの方の
横向き寝をサポートしてくれます。
朝の手や腕のしびれについてのまとめ
という感じで、長々と記述してみました。
納得いく内容でしたか?
ご自分の睡眠を思い出して「あ、こんな事あるある!」
と思われたら試してみて下さい。
ご自分での改善が難しかったら
当店までご来店して相談してくださいね。
じっくりお話しをさせて頂きます。