50年くらい前はお布団といえば「綿わた布団」だった…ようです。
今となれば、「綿わた布団」は少数派。なぜ使われなくなったのでしょうか「綿わたの布団」にはいいところと弱点があって、
他の布団と比べられた時、結果的に選ばれなくなったという事だと思います。
「綿わたの布団」は重たい
シングルの掛け布団で充填量が4.0~4.5㎏(当店に持ち込まれる”打ち替え布団”の平均)
羽毛布団だとシングルで充填量1.2㎏前後ですから3倍以上です。
シングルの敷き布団だと充填量が5.0~6.0㎏です。
敷き布団に関しては羊毛混の敷き布団(充填量・4.5㎏程度)より少し重い程度。
ウレタン系の敷き布団には表記がないので何とも言えませんが羊毛混の敷き布団と大差ないかと。
敷き布団に関しては重さの面ではそこまでの差はありません。
掛け布団は重さがある方がいい、という方もおられますが
現在では掛け布団が重いと
- 寝返りがしにくくなる
- 上から押さえつけられると呼吸がしにくい
などの理由で、良質な睡眠が取れないと言われています。
掛け布団は”軽く”て、その時の気温に応じた”保温力がある”ものが好ましいですね。
そういう点で他の素材のお布団に負けています。
「綿わたの布団」は頻繁に干さないと
綿わたの布団は湿気を良く吸いますが放散しにくいため頻繁に干さないといけません。
干すとある程度フンワリ回復し気持ちいいのですが、干さないと湿気を帯びて”冷たい寝心地”になります。
重たいお布団を頻繁に干すのは結構重労働です。
ちなみにお布団を干した時に布団叩きで叩いてはいけません。
これはどのお布団でも共通です。布団叩きダメ、絶対!笑。
布団を叩くと、一見ホコリが出ていくように見えますが、叩くことでどんどんホコリを製造していきます。終わりがありません。
生地もダメージを受けるためお布団がすぐにダメになってしまいます。ダメージだけに…笑。
「綿わたの布団」はホコリが出やすい
綿わたの布団はホコリが出やすいんです。
綿の繊維は化学繊維と比べると強度が弱いです。生地も普通の綿サテン生地なので拡大すると生地の目が粗いです。
羽毛布団は生地に「ダウンプルーフ加工」という吹き出止めの加工がされているため、実はホコリが出にくい構造です。
(長年使うと縫い目が弱って吹き出しやすくなります)
敷き布団に関しては、ウレタン系のマットだと中身からホコリが出る事がまずありません。
そもそも中身に繊維が入っていないからです。
「綿わたの布団」は耐久年数が低い
綿わたの布団は長持ちしません。掛け布団は数年で嵩が減り、仕立て替えか買い替えしないといけません。
敷き布団は1年程度でグッと嵩が減り、ちゃんとした寝心地をキープするにはやはり5年くらいで仕立て替えする必要があります。
それに対して羽毛布団は10年以上(品質が高い羽毛は数十年使われたりします)
ウレタン系の敷きに関しては5年以上(商品によっては10年保証とかついていたりします)
もちます。
ただし、綿わたの布団は「打ち直し」「仕立て替え」といってリフォーム的な事ができます。
羽毛布団こそリフォームができるようになりましたが、他は古くなったら買い替えしかありません。
「打ち直し」できる部分は良い点ですね。
これが綿わたの布団が選ばれなくなった理由です。
色々書きましたが、当店では綿わたの布団の打ち直しができますので気になる方はご来店下さい。