数千円台のいわゆる「毛布」は、ほとんどが化繊の毛布で
アクリルとポリエステルの2種類あります。共に石油原料からできているのですが
その違いは主に「値段」と「暖かさ」です。
アクリル毛布の特徴
アクリル毛布は
”アクリロニトリル”を原料としたアクリル繊維の毛羽で出来ている毛布です。
その特徴は…
- ウールに近い化学繊維
- コストはウールより安く強度はウールより上
- 静電気や毛玉が発生しやすい
- 比重は1.14~1.17
- 公定水分率は2%
です。
天然繊維と比べると吸水性は低いですね。(綿8.5%・ウール15%・シルク11%)
静電気と毛玉はイメージ通りです。
ポリエステル毛布の特徴
ポリエステル毛布は
”ポリエチレンテレフタレート”を原料としたポリエステル繊維の毛羽で出来ている毛布です。
その特徴は
- 元祖はデュポン社製ダクロン繊維(1953年に開発)
- 化学繊維の中でも安い
- 静電気や毛玉が発生しやすい
- 比重は1.38
- 公定水分率0.4%
- 汚れが激しいものと一緒にすると汚れを吸ってしまう(再汚染性)
です。
デュポン社のダクロン繊維が発祥と言うのが私の中では驚きでした。
比重がアクリルより重い、と言う事は毛布に製品化しても重くなりやすいと言う事ですね。
公定水分率は0.4%。アクリルよりさらに低い数値です。吸水性はほとんど期待できません。
ただし、繊維状にして毛布にすれば毛細管現象である程度は”しみる”かもしれません。
年配のお客さまに”あったかいからアクリルがいい”と。
ご年配のお客さまに毛布の接客をしていた時、
まくら職人「毛布でしたら、コレとコレが…」
まくら「こっちはポリエステル毛布で安いです。こっちがアクリルで…」
お客さま「ポリエステルの毛布はいいわ。アクリルが暖かいからアクリルにして」
と言われた事がありました。
一昔前だと、アクリル毛布の方が暖かいというのが常識だったそうで。
現在では、ポリエステル毛布でもいろいろいいものが出てきてはいますが
通常の毛布だとやはりアクリルに軍配が上がるようです。
しかし最近では、アクリルの価格が上がってきているため
アクリル毛布かポリエステル毛布か表記しないで販売されている事が多々あります。
(品質表示を見れば書いてありますが)
毛布を買う時は、ちょっと注意してみて下さいね。