先日、羽毛布団をお買い上げ頂いたお客様から
「このふとん、あの”白鳥みたいなマーク”はついていないのですか?」と

そんな質問を頂きました。

あのマーク、日本羽毛製品協同組合(略して日羽協)という団体が発行している
「ゴールドラベル」というモノで、ラベルの色によって
羽毛の品質を表しているんですよね。パッと見て違いがわかるので便利ですね。

実は、当店の羽毛布団には全て白鳥のマークがついていません。
(令和3年1月現在。ワタクシ、まくら職人調べ)
ゴールドラベルがついていない羽毛布団ばかりなんです。

最初にそのわけを書いておきます

そこに至るまでのお話は長くなるので、先に結論を。

  • 西川・昭和西川・ロマンス小杉などの主要メーカーはより厳しい自社規格で品質管理をしているからゴールドラベルで品質を保証する必要がない。なので、もともとゴールドラベルがついていない。
  • 当店の羽毛布団は、ほとんどが西川・ロマンス小杉の商品。
  • 有名メーカーさんだと会社の名前で信用が担保されるのでゴールドラベルをつけなくても大丈夫みたい。

なんですよ。

私はゴールドラベルの良しあしを羽毛布団選びの基準にはしていませんし、
ラベルがついている羽毛布団を積極的に仕入れる事はしません。

では、そこら辺のお話を少し掘り下げていきましょう。

ゴールドラベルが付いていない…品質大丈夫?

ちょっと!ラベルなしなんて品質は大丈夫なの?と思われるかもしれません…
冒頭のお客様もそんな思いで質問されたはずです。

でも大丈夫なんです。
理由は前の章で書きました通りです。
有名メーカーの商品は厳しい自社基準で管理しているので、まず問題ありません。
(もちろん絶対大丈夫、はありませんが)

ワタクシ的には仕入れする時、
ゴールドラベルがついている羽毛布団を見るとちょっとガッカリします。

なぜなら、あのマークがついている羽毛布団で”これはいいね!”
と思った品に出会ったことがとても少ないから。
”またこれか~”と思っちゃうんです。

誤解が無いように断っておきますが、
これは以前ゴールドラベルマークを自社商品につけていた
寝具メーカーの方が言っていた事です。そのまま書きます。

「あのラベル、一枚500円払うと商品につけられるんですよ」

これを聞いたときには衝撃もありましたが、
”ああ、やっぱりそんなものなんだ”と妙に腑に落ちました。

もちろん最初にちゃんと品質を調べているとは思うんですよ。
でも、数年前に当店である出来事がありまして…それが頭をよぎりました。

白鳥のマークがついた羽毛布団を下さい事件

5・6年前…10年以内だったと思うのですが、
ある日の夕方、女性のお客様(この時はお客様だと思っていた)が来店されました。

その方は

ご近所の奥さんご近所の奥さん

「羽毛布団を探しています。白鳥のマークがついたものはありますか?」


とおっしゃいました。

で、やはり置いていなかったので

まくら職人まくら職人

「なんで白鳥のマーク付き羽毛布団がいいんですか?」


と聞いたんです。すると!

ご近所の奥さんご近所の奥さん

「私、実は○○という業界紙の社員でして…外部調査員として
”ゴールドラベル”マークがついた羽毛布団を集めているんです」

「もしお持ちでしたら、ついている値段で結構ですので売っていただけませんか?」

って!!びっくりしました。
そして一生懸命ゴールドラベル付きの羽毛布団を探しました。
だって、あれば全部買ってもらえるんですから。なかったですが…泣

なんでも、ラベルのつけ方に不正の疑いがあったようで
(品質の低いものに、よりいいラベルがついていた)
市場に出回っている商品を直接購入し、中身の羽毛を調べてらっしゃるという事でした。

「いやー残念です~。あったら買ってもらえたのに笑」
「ご協力ありがとうございます~笑」
と女性の調査員さんと笑顔で別れました。

その後、業界内で中国地方のある寝具メーカーさんが…
という噂が流れました。

もちろん、この出来事は見方によっては
自浄作用というか自らの襟を正している行為なわけで、良い事なんです。

でもゴールドラベル、本当にあってる?大丈夫かな?
という話は昔からあるんです。

ゴールドラベルの羽毛の洗浄度はそれほど高くない


↑羽毛の洗浄度を検査する基準図。ハンガリーの羽毛工場にて撮影。

羽毛の洗浄度(羽毛をきれいに洗っているかどうかの基準)は
羽毛洗浄後の洗浄水を長い筒に入れ、底に書かれた十文字がはっきり見える水深を
計って○○○mmで表します。



↑検査用の筒

↑底に記された十文字

見てきたようなことを言うでしょ。数年前ですがホントに現場を見てきましたから笑
→ハンガリーの羽毛工場を見に行ったお話し。)
いつ洗うか、が重要というお話も。国内で一生懸命洗ってももう遅いんです。

ゴールドラベルを付ける洗浄度の基準は500㎜。
ですが、西川・ロマンス小杉などの有名メーカーは1,000㎜程度。
(当店のハンガリー直輸入羽毛シリーズは1,000㎜)。簡単に言うと2倍キレイなんです。

羽毛の洗浄度が低いと、羽毛が崩れやすくなったり臭いがしたりします。
掛け布団は顔の近くで使うので臭いが気になると辛いですね。

という事で、ゴールドラベルがついている羽毛布団は
有名メーカーより洗浄度が低いという事が分かると思います。

ゴールドラベルがついていない有名メーカーの羽毛布団の方が優秀ですね。

羽毛布団の品質を確かめる事は難しい



羽毛布団の羽毛の品質を確かめる事はとても難しいです。

  1. まず第一に中身が見えない。
  2. 見えたとしてもその羽毛がどこ産のナニかという判別が困難。
  3. もし違うスペックの羽毛が混じっていたとしても…
    ダウンボールを1個づつ確認する?現実無理です。

2.についてですが、
ダックダウンとグースダウンの判別は顕微鏡で見れば区別できます。

(→「羽毛の産地偽装の話」中ほどにダックダウンとグースダウンの違いが画像入りで)

羽肢からでた毛の途中に出ている突起の位置がダックとグースでは違うんです。
毛の先端に突起があるのがダックダウン。グースダウンは中ほどに突起があります。

でも一枚一枚確認する事はできません。生地を開けたら…もう売れませんし。

という事は、羽毛の品質は悪意のあるメーカーさんだと簡単にごまかせてしまいます。
そのメーカーさんに信用があるかどうかという部分で判断する事が第一です。

ですから、私は長年取引のある仕入先(有名メーカー)の品質表示をまずは信じて
あとは実物のふくらみ、手触りを確かめて仕入れるようにしています。もちろん価格も。

ゴールドラベルの付いた羽毛布団は、触ってふくらみを確認した時
品質表示の割に「あれ?」っという思いをすることが多いので
あまりすきではありません。

当店の今のおススメ羽毛布団は「ハンガリーから羽毛を直輸入」したシリーズ


今現在(令和3年1月)当店のおすすめ羽毛布団は
「ハンガリーから直輸入した羽毛」を使ったシリーズです。

  • 羽毛の出どころがはっきりしていて(精製中の原毛には卵までさかのぼれるバーコードがついてまわる)
  • その羽毛を第3国を経由しないため(ほとんどの羽毛は台湾などの第3国を経由している)
    よその羽毛が混入しない。
  • 羽毛を採取してすぐに、きれいに洗っている(臭いがしにくく、暖かさが長持ちする)
  • 製造メーカーは西川株式会社で安心

だからです。

羽毛を生産している会社の社長さん(もちろんハンガリー人)と直接お話をしましたが
羽毛に対する愛情と情熱はとても熱かったです。

よかったら、当店まで見に来てください。

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