先日、お客様がご来店されました。

「えーっと、”真綿のお布団”ありますか?」と…”真綿のお布団”とは…
簡単に言うと”シルクのシート”(角真綿・帽子真綿など大きさ、形状がいろいろあります)を
職人さんが2人で引き延ばし何十枚、何百枚と重ねて作った”シルク100%”の中綿を
側生地で綴じた掛け布団です。

(→大洲真綿の産地見学に行った時の話。現地を見てきました)

「真綿のお布団」と「綿わたのお布団」は混同されやすい



↑これは綿わたのお布団。敷き布団ですが…。

「真綿のお布団」と「綿わたのお布団」はとても間違われやすいんですが
全くの別物です。

人によっては、”上質な綿わた”を”真綿”と呼んでらっしゃる方もおられまして…
さらに、間違われやすいんです。

真綿は「手引きのシルク」、綿わたは「コットンわた」なので
中わたの品質を表示する場合、”シルク100%”と”
(ポリエステルを少量混紡することが多いので綿100%のお布団も少ないのですが、ここでは触れません)
でそもそもの組成が違います。

そういったことがあるので、「真綿のお布団」を尋ねられたら
まずはお客様がなにを指してらっしゃるのか、確認するようにしています。
お客様がイメージされている商品と私が思っている商品のすりあわせです。

真綿布団をよくご存じのお客様でした



↑画像は「大寶黄金(たいほうこがね)」の繭、国産繭の高級品です。
※画像はイメージです。

という事でお客様にお聞きしました

まくら職人「真綿ふとんですが、シルクを手引きした中わたが入っている商品ですか?」
お客様「そうそう。0.5kgの物を以前買ったんだけど、最近寒さがこたえるから…」
お客様「羽毛布団の上で、羽毛布団と同じカバーに入れて、カバーのひもで羽毛布団と一緒に止めてつかってるの」

すごくよく知ってらっしゃるお客様です。使い方もバッチリ。
なんでも、よその寝具専門店で買われたとか…。
なるほど、しっかり使い方も説明していただいているわけです。

まくら職人「いろいろありますが、こんなのとかどうですか?」
お客様「あまりいいものでなくていいの。」

お手頃「真綿ふとん」と本格「真綿ふとん」との違い



↑大洲真綿の桑畑(カイコさんの餌になります)

「では、こんなのどうですか?」



↑19,800円の真綿肌掛け布団。

まくら「これは中国製ですが、中わたも0.8㎏入っています」
まくら「中国製の真綿は大体”帽子真綿”っていう大きい真綿のシートを引いて作っていて…」
まくら「真綿を引く枚数が少ないので、コスト的に安くできるんです」

お客様「前の真綿ふとんは、”綴じ”(中わたと生地を止めるミシン目)があったんだけど
 これはないの?真ん中だけワタがなくなるとかならない?」
まくら「手引きは”薄いシルクシートの積層構造”ですから真ん中だけなくなるという事はないです。
”綴じ”はすみません。多分コストを下げるためだと思うのですが…ないですね」
まくら「綴じが無いので多少、側生地と中わたがずれる事があるかもしれません」

お客様「ふーん、ちゃんとすみに止めるところ(カバーのひもを結ぶチチ輪)
もついているし…中国製でもいいわ。これにしよう」

という事でお買い上げいただきました。

どうしても、安いには安いなりの理由があります。
ちょっと「中国製・真綿ふとん」と「日本製・真綿ふとん」の違いを挙げてみます
すべてそう、とはいえませんが…

カイコの繭をほどく時、

  • 中国製・・・酢酸という酸性の液体で化学的にほどき、アルカリ溶液で中和する。
     酸っぱい臭いが残ることも
  • 日本製・・・お湯で丁寧にほどく。薬剤はほとんど使わない

手引きするもとのまわたは、

  • 中国製・・・帽子真綿というかなり大判のシルクシートを引きのばす。
     引く真綿の枚数が少なくて済むため効率がいいかわりに、真綿の厚さが均等になりにくい。
  • 日本製・・・角真綿というハンカチ大のシルクシートを引きのばす。
     引く真綿の数は膨大になるが、真綿の厚みは均等に。

あとは、”綴じ”が

  • 中国製・・・ほとんどミシン加工。閉じたところがぺったんこに。
  • 日本製・・・和綴じ(綿わたや座布団の綴じ方)。ふわっとした綴じ方ができる

とか…。前出ですが、中国製はそもそも”綴じ”がないものもあります。

ただし、中国製はお手頃価格なので…
ご予算優先でいくと中国製を選ばれる事も、もちろんありです。

日本製「真綿ふとん」を掛けて比べてみた時のお話


↑大洲の愛媛蚕種(カイコの子の養殖場的なところ)さんにて。
「大寶」品種と「黄金」品種の交配種が「大寶黄金(たいほうこがね)」

以前、寝具のメーカーさんで
”各種肌掛け布団”を掛け比べしたことがありまして。

敷き寝具の上に横になった状態で、いろんな肌掛け布団をとっかえひっかえ
掛けてもらうという方法で比べました。

数十万円の羽毛肌(いわゆるアイダー)とかいろいろ掛け比べました。
どれも軽くて気持ち良かったのですが、そんな中で「えっ」と思ったのが、
ある「日本製真綿ふとん」。

並みいる高級肌布団の中で、一番”温まるのが早かった”のです。
「あれ?なんでこんなに早く温まるの?」と思っていたのですが
気のせいではなく、他の方も同じ感想を言われていました。

どの商品だったのかはここでは控えますが
(来店して聞いてください。良さに驚いたので店頭に置いています)
何が言いたいかというと、「日本製真綿ふとん」を使ってみれば、その違いは実感できるという事です。

ちょこっと掛けてみただけで違うんですよ。毎日使えばその違いは歴然、なはずです。

「日本製の真綿ふとん」興味がある方は見に来てください。
店内で体験することもできますよ。

当店は広島市中区十日市町の寝具専門店です

ネットでお買い物できます。木村寝具店の真綿掛け布団のページ↓