大洲の瀧本さんをはじめとする皆さんが作って下さる「大寶黄金」の真綿。

この真綿で作った真綿布団はどうやって作られどんな特徴があるのでしょうか?

最終的に、近江の北川さんの工房に運ばれます。
そう、”大寶種×黄金種のハイブリッド”を愛媛蚕種さんに依頼している”北川さん”の工房です。
(ご存知の方も多いかもしれませんが、北川さんは某国営テレビの出演もなされた”手引き真綿のスペシャリスト”です。)

ここまでのお話し↓

大洲真綿の生産地見学その1・純国産真綿布団の軌跡をたどる

大洲真綿の生産地見学その2・大洲真綿の歴史と地理を調べてみた

北川さんの工房で行う繭の加工の違い



↑瀧本さん宅。出荷前の繭たち。

北川さんの工房では、届いた繭を…

  1. 近江の軟水を使ったお湯でゆっくり精錬(セリシンを溶かし繭をほどく)
  2. 角真綿(かくまわた)に加工
  3. 角真綿を職人さん2人で手引き(数百枚重ねる)
  4. 側生地でとじて完成

という行程をへて真綿布団を作ります。

最近の安価な真綿布団は中国でこれらの加工を行っているのですが、
コストを下げるために…

  1. お湯にアルカリ性の薬品を入れてさっと繭をほどく。
  2. アルカリ性を酢酸(酸性液)で中和
  3. 大きくて厚い帽子真綿(ぼうしまわた)に加工
  4. 数十枚を手引きで重ねる(帽子真綿は厚いので)
  5. 側生地でとじて完成

という過程になります。

こうした加工をした中国製の真綿は

  • ”1番”のアルカリ性の薬品がシルクのセリシンを落とし過ぎて風合い・保温性・吸湿性が落ちる。
  • ”2番”の酢酸が残るので酸っぱい臭いが残ったりする。

と言う事があって…。せっかくの真綿のよさが100%生かされません。
セリシンは吸湿性が高いですからねー。モッタイナイ。

北川さんの工房で中国の真綿業者さんが言った事



↑左が「大寶黄金」。まさにゴール〇ンボ〇ルですね…スミマセン。

以前、寝具メーカーさんが中国の真綿業者さんを連れて行った事があったそうで
(おそらく技術的な勉強で行かれたのかと)
その時言われたことが…

  • 北川さんの真綿の作り方は理想的な作り方だ。憧れだ。
  • アルカリ性の薬剤を使わず、近江の軟水をたっぷり使って時間をかけて繭をほどく…素晴らしいです。
  • 北川さんの真綿布団はむかし自分のお父さんが作ってくれた布団と同じだ。ふんわりしていて…まさにこんな感じだった
  • でも、コストと手間をかけてこんな作業をすることは現状出来ない

との事。

ここには昔お父さんが作ってくれた本物の真綿布団が残っている、と感じた中国の業者さん
理想と現実の間で何とも言えない”切ない気持ち”になったのではないでしょうか。

現在中国は世界の工場です。
この方にはこの方に求められる価格の商品があって…やむを得ない状況なんだと思います。
実際、この方が低コストの真綿を作らないと困る方もたくさんいるでしょう。

でも、「昔自分のお父さんが作ってくれた真綿布団」とはやはり違うんです。
だって”低コスト真綿”を作っておられる側のプロが言うんですから間違いないです。

私はね、この「昔お父さんが作ってくれた真綿布団」をね
後世に残していかなきゃいけないと思うんですよ…。本物の真綿布団を。

大洲の「大寶黄金」真綿を北川さんの工房で仕上げた当店の真綿布団は…



↑解像度が荒いですが、真綿布団の手引き工程の一コマです。

で、ですね。もうはっきり言いますよ。「大寶黄金」真綿布団を使ってもらいたいので。
愛媛蚕種さん・瀧本さん・北川さんが一生懸命作り続けてきた、この「真綿布団」の
ストロングポイント、分かりやすく言うと…

  • 気温や湿度の上下が激しい季節の変わり目に最適な掛け布団。
  • 通常の真綿布団に比べ、弾力性と耐久性が強い。ふっくら長持ち。
  • 季節の変わり目以外でも年中使えます。冬は羽毛布団の下に、春夏秋は一枚で。手放せない一枚です。
  • 蚕のデリケートな時期を外気から守るシルクはふとんに最適。だって外気の変化からその身を守れないと死んじゃうし。

これらのストロングポイントは、まとめちゃうと…

  1. 温度調整・調湿機能が強い
  2. 抜群のフィット性
  3. 真綿布団にしてはボリューム・コシが強い

です。
掛けてみればわかります。真綿布団ってものすごく気持ちいい掛け物です。

あ、あと真綿布団共通の特徴として

極めてアレルギーを起こしにくいというものもあります。
(繊維がほとんど切れていないため、ホコリが出にくい。シルクは体内に入ってもアレルギーを起こしにくいため)

1.温度調整・調湿機能が強い



朝晩の寒暖差の激しい大洲盆地フェーン現象も起きやすい盆地です。
そんな厳しい環境を生き抜いてきた「大寶黄金種」の蚕の繭を使っています。
この地域で蚕のデリケートな時期(サナギの期間)を外気の気温変化や湿度変化から守っている繭を使っています

その繭を、アルカリの薬品を使わず、近江の軟水を使い「セリシン」
(吸湿力が強いシルクを構成するタンパク質。古くから美容に用いられていた)
を落とし過ぎない方法で精錬した真綿は、さらに温度・湿度変化に強くなっています

近年(今年は特にそう感じますが)季節の変わり目は、気温の上下と湿度の上下がすごく大きいです。
「今晩はなにを掛けて寝たらいいの?」「冬用の掛け布団では暑い、夏用の掛け布団では寒い」
というシーズンに、一枚で寝てみて下さい。

「ナニこれ気持ちいい!!」と感じて頂ける一枚です。

2.抜群のフィット性


これ、実は真綿ふとん全般に言えることなのですが、
シルクはしなやかで柔らかい繊維なので、フィット性がすごく高いんです。

フィット性が高い掛け布団は…体とふとんとの間に隙間が空きにくいので
保温力が高いです。特に横向き寝が多い方、背中までしっかりフィットします。

前項で季節の変わり目に気持ちいいと書きましたが、
冬場は、羽毛布団の下に毛布代わりに掛けて頂くと…

隙間が埋まって暖かいです。さらにムレ感も軽減してくれます。

3.真綿布団にしてはボリューム・コシが強い


「大寶黄金」のシルク繊維は太くて長いです。
通常の繭では繊維の長さが1,300m(!)ですが、大寶黄金は15%増しの1,500m(!!)

太さの資料は見当らなかったので具体的な数字が分からないのですが、
太すぎて、絹糸への加工ができないそうです。(瀧本さん談)スゴイでしょ。

なので、「大寶黄金」は真綿布団の手引き中わた専用種。
そのしっかりと長い繊維は、”ボリューム”と”コシ”の強い真綿布団を生み出しました。

真綿布団は詰め物のシルク繊維が細いため、そもそも嵩が出にくい布団です。
そんな真綿布団の中で比べると…「おー、コレ嵩が出ていますねー」と私も感じました。



↑「大寶黄金繭」

来店して、試しに掛けてみて下さい。
「あれ?ジワジワ暖かくなってきた」と感じられます。

「大寶黄金」真綿布団のスペック



「大寶黄金」の真綿布団のスペックは…

  • 側生地:シルク100%
  • 詰め物:手引き真綿(大洲の大寶黄金種)
  • 詰め物重量:0.5kg(1.0kgもあります)
  • その他:和綴じ仕立て・日本製

です。

真綿布団の”詰め物重量”は「0.5kg」が良いと考えています。
それは、春夏秋に一枚で使ったり、羽毛布団の下に毛布代わりに掛ける場合
”一番使い勝手が良い”重さと厚みだからです。

ぜひ一度ご来店して実物をご覧ください。いいモノですよ。

当店は広島市中区十日市町の寝具専門店です。