軽くて暖かい掛け布団の代表”羽毛布団”
2016年11月現在、
羽毛布団を上回る軽さと温かさを兼ね備えた掛けふとんはありません。
この羽毛布団について、ちょっと私なりの見解をまとめてみます。
羽毛掛け布団の話(その1)・・・羽毛布団の工場を視察に行ったときの話です。ダックとグースの羽毛の見分け方とか
羽毛布団を買いに来られた時話すこと・・・私が接客の時お客様に聞く話です
掛け布団サイズ編・・・掛けふとんのサイズ一覧表があります
このページの目次
羽毛布団と毛布の関係。どっちが上?
「羽毛布団と毛布を一緒に使う場合、どっちが上なの?」という話し。
結果を先に言うと、どっちでも保温力は一緒(笑)
えー、テレビでサーモグラフィーを使った実験をやってまして、
どちらでも変わらなかったです。
ところが…人間は寝返りをうって眠るので、ココが問題です。
アクリル系・ポリエステル系の毛布は構造上、上から押さえると一方向にずれます。
なので、これらの毛布を羽毛布団の下に使うと…羽毛布団に押さえられてずれます。
ずれて体の上からなくなっちゃうと、掛けてないですから(笑)当然寒い。
これに対して、天然素材系の毛布はズレにくい構造のものが多いので
体に直接触れるところに掛けた方が暖かいです。
また、人間は入眠時にたくさんの汗をかきます。(深部体温を下げるため)
その汗を吸わない化学性繊維は、肌に直接触れない所で使った方が蒸れにくいです。
毛布・ケットの話・・・毛布の種類の紹介。サイズ一覧表も
睡眠時の汗・・・私が実際に出会った、汗かきさんの羽毛ふとん
吸水性 |
ずれ易さ |
使う位置 | |
一般的なアクリル・ポリエステル毛布 | × | ずれ易い | 羽毛布団の上 |
綿毛布・シルク毛布 | 〇(シルクは吸湿性◎) | ずれにくい | 羽毛布団の下 |
ウール・カシミア毛布(動物性繊維) |
〇(吸湿性◎) |
ずれにくい | 羽毛布団の下 |
羽毛布団のお手入れ方法
羽毛布団は、ちゃんとした品質のものを丁寧に使えば
耐久性も抜群です。
お手入れ方法は…
- 基本は日陰干し・・・湿気の溜まり方にもよりますが、2週間に一度3~4時間で大丈夫。
- 日向に干す時はカバーを掛けて・・・側地が焼けますから日向に干す時はカバーをしたままで。
- 干した時叩かない・・・ふとん叩きは厳禁です。キルトのミシン目が弱って羽毛が吹く原因に。
- 側地には針を刺さないで。・・・生地に穴が開くと羽毛が吹きます。
- 数年に一度なら丸洗いも・・・頻繁に洗うとボリュームがなくなります。ひどく汚れたら、専門業者に洗濯を依頼してください。(ウチもやってます)
というところかな~。
干す時に生地をひっかけて破いたりしないよう、気を付けて下さい。
羽毛布団の臭い・・・羽毛布団の臭いの話です。広げて干すと臭いも緩和
生地がもし破れたら…↓
羽毛布団の生地が破れた
羽毛布団の生地が破れた場合は…ほぼアウトです。
ただ、修理もできないわけじゃないです。
その方法は、
付属の補修布をアイロンで熱圧着して穴をふさぐ、です。
↑こんなのです。↑羽毛布団を買ったときに付いてると思います。
でも、実際やってみると…はがれます(笑)
※私ね、やってみたんですよ。でもすぐとれちゃった。
なので、お勧めは…
補修布を熱圧着した上で、縫い付けちゃう、です。
※あくまで、自己責任でお願いします。
生地に針を刺すなって、前項で言ってますが(笑)
生地に開いた”大きな穴”と”針穴”だったら、針穴の方がマシ(笑)という見解です。
基本的には、生地に穴が開いたら
ふとんの買い替え、もしくは羽毛布団のリフォームをしてください。
羽毛布団リフォーム・・・羽毛布団リフォームの工程・価格表のページ
羽毛布団の生地が破れた・・・羽毛布団の生地が破れた時の対処法と羽毛のランクなど。ちょっと内容がかぶってる(笑)
羽毛布団の洗濯
前項で出ました、羽毛布団の洗濯ですが、
専門の業者に依頼されることをおススメします。
羽毛布団の場合、側生地にシルクを使っていたりします。
シルクは人間の肌のタンパク質と組成が似ているので
人間のヨゴレが落ちる洗剤だと、
溶けたり弱くなったりするようです。
ウチでお願いしている専門業者さんは、そこら辺もちゃんとしてくれます。
ちなみに
”羽毛布団シングルサイズ”の洗濯で4,320円(平成28年11月現在)です。
ふとんの丸洗いは木村寝具店まで。←ふとんの丸洗いやってます。
アレルギーがある方の羽毛布団
ハウスダスト等のアレルギーがある方には
カバーを高密度系のものにするといいです。
チリとかホコリが出にくいものです。ミクロガードとか…いろいろあります。
※ウチに置いてるのは…”アルファイン”です。ミクロガードみたいにナイロンっぽくないので…
羽毛布団本体でお勧めは、ゴアテックスの羽毛布団です。
ゴアテックスの羽毛布団は、
生地の内側に高密度のゴアテックスメンブレンを張り付けてあり
ふとんの中からチリホコリが出にくいです。
ちなみにこのゴアテックス素材は、
”蛍石”と言う鉱石からできてるって、知ってました?
私も岡山にあるゴアテックスの工場に見学に行くまで、石油化学製品と思ってました(笑)
ゴアテックスは、その他にステントの膜とか、宇宙服、消防服などに使われています。
羽毛布団の縫い方
羽毛布団の縫い方を”キルト”と言います。
キルトの種類には
- 直キルト
- 立体キルト
- 2層式キルト
- エリフィットキルト
- ベット用キルト
なんかがあります。
ちょっとだけ紹介すると…
↑これはベッド用キルト。ウチでよく売れてます。ほぼウチオリジナル↑
構造が理にかなってるんです。我ながら名作(笑)
キルトの形状によって、暖かさも変わります。
購入時には気を付けて見てみて下さい。
仲良し羽毛布団・・・特許出願をしたサイズが変更できる羽毛布団。
羽毛布団の寿命と価格
羽毛布団って、40年くらい前日本で普及し始めて…
当時はシングルサイズ30万円とかが相場(!!)だったそうです。
その頃は「一生モノよ~」なんて売っていたそうですが…羽毛布団には寿命があります
だいたい、10年が目安です。
ただし、品質と使い方によってこれは前後します。
安いものだと5年くらいしかもたなかったり、
高級品は20年使ってる、って言う人もいます。
寿命の目安は
- 羽毛が噴き出してきた・・・先ほど触れましたが、こうなるともう無理です。
- エリ元、膝元が寒い・・・防寒の寝具です。温くなくなったら戦力外です。
- 羽毛がひどく片寄る・・・おそらく内部でキルトが切れています。すっごい薄い所とか出てくるとアウト。
これらの症状があれば、もう買い替えるかリフォームするかですね。
羽毛布団を選ぶ・・・後半に羽毛布団の選び方を記述してます
羽毛リフォームのタイミング・・・文字通り羽毛布団をリフォームするタイミング。買い替えも
羽毛布団のまとめのまとめ
さて、羽毛布団のまとめはいかがだったでしょうか?
羽毛布団って、耐久年数10年とか(笑)買い替え頻度が低い商品ですから…
なかなか、相場観というか比較の基準が分かりにくいですよね。
10年前、購入時に聞いた羽毛ふとんの話を、
次の買い替えまで…覚えてられません(笑)わたしは無理だな~。
みなさんの参考になればいいですね~。
羽毛など掛けふとんの話・・・後半、羽毛布団に触れてます。広島ローカル要素あります
羽毛掛けふとんの話(その2)・・・羽毛布団の暖かさの秘密に迫る!!(笑)
羽毛布団産地偽装の話・・・羽毛ふとんは、実物をみてから買った方がいいですよ、という話し