いつも何気なく使っている敷き布団(ベッドマット)と枕。

その究極の役割は、体重を一か所に集中させない事。いわゆる体圧分散です。

床面(敷き寝具)と接した”体のどこか一部分”に体重を集中させない状態を指します。

なぜ体圧分散が「”敷き寝具”と”枕”の究極の役割」なのかを解説しましょう。

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敷き布団(ベッドマット)と枕を使わないで寝たらどうなる?



極端な例として、敷き布団と枕を使わずに寝たらどうなるか考えてみます。

上の画像は、まさにその状態。見てみると
体と床面の間ところどころに隙間が空いています



この隙間があいているとどうなるかというと…

  • 床面に接地している部分により多くの重さがかかる
  • 接地している部分がギュッと押さえつけらるので血液や体液の流れが悪くなる
  • ギュッと押し付けられた部分が不快(だんだん痛くなる)なので必要以上に寝返りが増える
  • 寝たきりの方だと、接地部分が蒸れて床ずれになることもある
  • 睡眠時の8割は筋肉に力が入る状態なので、隙間部分を筋力で支え続けると、寝ているのに疲れが

などなど…。結果的に朝起きたら体のあちこちが痛くなったり
長時間眠っても、熟睡感がまったくなかったりします。
不快な姿勢を取り続けている状態ですからしょうがない。

ただし、床の上にそのまま眠る方はほとんどいないでしょう。
具体的にどういう寝具で眠るとこういう状態になるかといいますと、

  • 硬いベッドマットレスで眠る
  • 畳の上で使い古した綿布団で眠る
  • まくらを使わないで眠る
  • すぐにヘタるまくら(タオルを重ねたものなど)で眠る

とてきめんです。これらは、経験されている方も多いと思います。
当店にご来店されているお客様の声を聞いていても、とても多いケース。

睡眠時に体圧分散する方法は



では、どうすれば体圧分散ができるのでしょうか?
考え方としては簡単です、体と敷き寝具の間にできた隙間を埋める事。

アナタの体重が例えば60㎏だったとします。
で、体の表面積を例えば100㎠(平方センチ)(実際はそんなに小さくないですが)として…

赤〇の図のように接地している面積が少ない場合
接地面積を体の表面の60%、つまり60㎠(平方センチ)とすると、
60㎏÷60㎠で、1㎠(平方センチ)当たり1㎏の荷重がかかる事になります。
1kg/1㎠ですね。

これに対して、体全体が接地している場合
接地面積は100%の100㎠(平方センチ)ですから
60kg÷100㎠で、1㎠(平方センチ)当たり0.6㎏の荷重がかかる事になります。
0.6kg/1㎠ですね。

体表面の面積当たりの体重のかかり方が少なくなったでしょ。
コレで、体圧分散ができているんですね。

体全体がしっかり接地している敷き寝具だと、一部分だけ接地している敷き寝具より
しっかり体圧分散することができます。

硬い寝具を使っている方が、具体的にどうすればいいかというと
今お使いの硬い敷き寝具(敷き布団やベッドマット)の上に
体と寝具との間を埋める”クッション材的な寝具”を使えばいいんです。

ただし、「だったら、”柔らかい敷き布団”や”ベッドマット”を使えばいいんじゃない」
という事ではありません。

”全体的に柔らかすぎる敷き寝具”は腰が落ち込んでしまうので
かえって腰痛になりやすいんです。

理想としては、しっかり体重を支える硬めの寝具を下部に置き
上層部に柔らかい隙間埋め用の寝具を置いて眠る、という2層構造がいいです。

クッション材的な敷き寝具とは…

敷き寝具の話を続けますが、”クッション材的な敷き寝具”とはどういうものかといいますと…

  • 開いたすき間を支える適度な反発力をもつ
  • 当然、ある程度の”柔らかさ”が必要
  • 出来れば通気性・吸湿性があった方がいい

という条件を満たすものが最適です。
通気性・吸湿性は敷き寝具全般に求められる要素です。
蒸れたり、暑い空気がこもる物の上では眠りにくいからです。

これらの条件を満たすものとして、
具体的に順位をつけていくと

  1. ムートンシーツ
  2. 厚手の羊毛の敷きパット
  3. 薄手のウレタン系敷きパット

がいいでしょう。

1・2はある程度の品質の物でしたら上の3つの要素をすべて満たします。
(やはり最強は1のムートンシーツですが)

3.については通気性と吸湿性に少々難があるものがあります。
また、ウレタンの中でも低反発ウレタンは避けた方が無難です。
理由は…長くなるのでまた別の機会に。

体圧分散アイテムとしての枕



次は、次は”体圧分散アイテムとしての枕”のお話です。

睡眠時、寝ている体の凹んだ部分と敷き寝具との間を埋めると体圧分散できる、
というお話はもうお分かりになったと思うんですが
枕は、後頭部と頸椎弧の間を埋めるためのアイテムです。

仰向き寝時、リラックスできる寝姿勢と敷寝具との間にできる隙間ですが
”後頭部にできる隙間の長さ”と”頸椎弧にできる隙間の長さ”はほとんどの方が違います



すでに以前紹介している図ですが、上の図のAとBの長さです。
どんな人でも、ほぼ100%Bの長さが長いです。近くの方を見てみてください、違うでしょ。
人間の背骨はアーチを描いて頭を支えていますから。

という事は、平らな枕だとBの部分に隙間が空いてしまうんです。
・オーダーメイド枕というものは、
このAとBの部分を使う方に合わせて別個に調節できなくてはいけません

だって、そもそもの長さが違うんですよ。高い低いがあるものを
平らなもので適切な姿勢に支えることはできません。

ですから、使う人に合わせてつくるオーダー枕は
ほとんどの場合、表面の高さが場所によって違っていないといけません。

ここまでは仰向き寝時、体と敷き寝具との隙間を埋めてくれるの枕のお話です。
人間は一晩に20回程度寝返りを打った方がよいと言われていますが、
仰向き寝から寝返りを打つと…そう「横向き寝」になります。

仰向き寝に無理やり合わせた平らな枕だと、横向き寝が非常に困難になります。

横向き寝時の枕の高さは仰向き寝時より高さが必要



↑硬いモノの上で横向き寝をした寝姿勢のイメージです。
見るからにキツそうですね。

例えばですが、横向き寝時に枕が無いと上のような状態になります。
肩口が圧迫され、重たい頭を首の力で支えないといけなくなります。

そこで、この頭と敷き寝具との間に枕を入れるわけですが、
仰向き寝の時と比べて、枕の高さは高くなります。



上の図の、主にAの高さが横向き寝時の枕の高さになります。
先ほどの仰向き寝時のAとBの高さより、
こちらのAの長さの方がかなり長くなります。


敷き寝具に肩が沈み込みますから、上の画像は大袈裟ですが
結構高さがいるでしょ。
これが、使い古した綿布団など”硬い敷き寝具”に寝ると肩の沈み込みが小さくなるので、
枕の高さが余計に必要になります。

オーダー枕・オーダーメイド枕では、左右部分を横向き寝用に高くして
調整します。ですから大体真ん中が低くて左右が高くなることが多いです。



↑上の画像はオーダー枕ではありませんが、こんなイメージです。

先ほど出ました平らな枕だと、この横向き寝の高さが出ません
高さが低すぎる枕で横向き寝をすると…
肩が内側にまいてきたり、朝腕がしびれたり、首が痛くなったりします
そんな方をたくさん見てきました。

今回は長文になりました…

今回は、思うところがあってちょっと長文になってしまいました。

枕や敷き寝具で悩んでおられる方、
朝がすっきりしない方のお力に少しでもなれると幸いです。

ちゃんと眠れると次の日は元気に過ごせます。
睡眠にお悩みの方、首肩腰が痛む方、よかったら相談に来てください。

当店は広島市中区十日市町でオーダー枕をつくっています。