羽毛掛けふとんの話(その1)

羽毛布団の工場に訪問した際に学んだ「羽毛掛けふとんのおハナシ」です。

  • 羽毛ふとんの暖かさの秘密
  • 羽毛の種類と性質の違い
  • ダウンの見分け方

などを語ってみようかな、と思います。

独断と偏見もありますが、私も寝具業界で長年過ごしてきた身です
ちょっとは皆さんの参考になると思いますよ。 少々長くなります

※ここまで知っている方は業者さんでも余りいないかも
ちなみに無断転載禁止です。無許可でコピペされる方、相当のお覚悟を決めて下さいね

羽毛掛けふとんの話の始まりの始まりの話、つまり前書き

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 羽毛掛けふとんについて気になり始めたのは
去年かおととし位の事。

仲良し羽毛掛けふとん(特許申請中)を製造するにあたって、
以前から見に行きたかった「ふとんの工場」へ見学に行ってからです。


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↑↑左はふとんの生地を縫っているエリア。右は敷きふとんの側地を縫っているエリア。

清潔な工場が自慢なんだそうです。実際ホコリも感じないきれいな工場でした。
(私はホコリアレルギーです。ふとん屋なのに…)
なんですが、ここではあまり関係がないのでその他のところは、また次回紹介しましょう。

その後訪れた、羽毛掛けふとんの製造コーナーの片隅に、
何やらアヤシイ小部屋がありました。

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なんだココ?と気になり、案内して下さった方に聞きました。

「ここ入ってもいいですか?」
「ウーン。いいですがサッとドアを開けてサッと入ってね」
なんてやり取りの後、入れていただきました。

なんということのない小さな空間。
説明を聞くと… その小部屋はダウンパワーの検査室だったんです。
つまり、羽毛の品質を厳密に測定する場所ですね。

気温と湿度を一定に保たないといけないため
「サッと開けて」「サッと入る」ことが必要だったんです。
この時点で私、かなりワクワクしておりました
検査室的な場所は初めてだったんです。

中に入ると、いろいろな器具が整然とおいてありました。
その中には、こんなのが。

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 ↑↑左画像は、測定する羽毛を入れておくケース。
右画像はダウンパワーを測定する器具
(協会からの認定ロットナンバー入り!!)です。

ちなみに画像の男性は検査の係りの方。
この仕事にうってつけ、という感じの真面目一本な方でした。

 この時、検査の係りの男性が案内して下さったのですが、
秘密の小部屋に入った後

「これ、なんだかわかります?」といって見せて下さったものが
面白かったんです。

いや、ふとん屋だから面白かったのかも

話は羽毛の拡大画像から始まった…

「これ、なんだかわかります?」って見せて下さったのがコレ↓↓↓

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私「ん?なんですかコレ?」
検査員さん「これね、羽毛の拡大画像ですよ」
私「おー、すごい!!一度見てみたかったんですよ」 
検「ダックダウンかグースダウンかを調べる方法って知ってますか?」
私「遺伝子検査とか?」
検「いや、拡大してみると分かるんですよ」
私「へー!!」

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↑↑左ダックダウン拡大画像・右グースダウン拡大画像(40倍位だったと思います)
注:あくまで「ダウン」の拡大図です「フェザー」の拡大ではありません

検「このね、”毛”(つまり一番細い繊維)の先端近くに突起があるのがダックダウン」
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↑↑左ダックダウンをさらに拡大・右グースダウンをさらに拡大

検「毛の中ほどに突起があるのがグースダウンなんですよ」
私「どれどれ」
私「ほんとですね。ダックの場合先っちょに突起がついてますね」

私「あと、ダックは毛がまばらですね。グースは毛がいっぱい生えてる!」
私「ここらへんにダックとグースの暖かさの違いがあるんでしょうね。いや面白い!!」
検「じゃ、こんなのも見ます?」

  aiderkakudai

私「ウワッ。なんかモジャモジャですね(笑)なんですか?」
検「これね、アイダーダウンなんですよ」
私「へーッ!これがですか。アイダーも先っちょに突起がありますね。やっぱりダックなんだ」

私「しかし、まったく異質な羽毛なんですね。これだけ複雑に絡み合うと暖かいでしょうね」

※知らない方のために・・・アイダーダウンはアイスランド中心にとれるダックダウンの一種。
特殊な構造・採集方法と希少性から「羽毛の宝石」とも言われ、1kg入りの掛けふとんで100万円(!!)から200万円(!!!)してしまうおふとん。

羽毛の検査員さんと羽毛に対する見解が合致

私「前から思っていたことがあるんですが、羽毛ふとんの暖かさの秘訣って×××ですよね。」
検「そうそう、空気の○○が羽毛で△△されるから…。」
私「ですよね!いやウレシイ!!同じこと考えている人がいて。私もそこがアヤシイと思います」 ・・・と、話が盛り上がりまして。

嬉しくなってしまった私は、検査員さんと記念撮影してもらうことに

検査員さんと写真を取るヒトはあまりいないようで、
検査員さんも「私で良いんですか?」と、少々戸惑い顔でした。


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いや、良いんです。 私、あなたのような方が工場のキーマンだと思っていますから。
これからもがんばってください。

  さて、ここで検査員さんと話が合致した、「羽毛掛けふとんの暖かさの秘訣」
ちょっと長くなったので、次のページで語らせて頂こうかと思いますよ~。

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