来るべき今年の夏をグッスリ(笑?)乗り切るためには
実は体から出る湿気への対策が肝心です。睡眠中の湿気対策を紹介します。今年の春は気温の上下が激しくて広島市内も”ヒンヤリ”と”ちょっと暑い”を繰り返していましたが
いよいよ夏が来そうです。(令和7年6月1日現在。予測者:私)

今年の夏も酷暑予報が出ていて去年の冬の長期予報を考えるとおそらく的中します。
(去年の冬はなかなか寒くならなかったが12月頃から予報通りの極寒に)

結論から言うと夏の快眠に欠かせないのは湿気対策です。
湿気を何とかすれば気持ち良く眠れます。

ホントに?
という方、ちょっと見て行って。

毎日出ている「コップ一杯の睡眠時の汗」



よく言われていますが、
人間は毎日、寝ている間にコップ一杯の汗をかきます。

この汗は主に水蒸気で発汗するんです。

そもそも眠りにつくためには交感神経と副交感神経の
スイッチを切り替えるため深部体温(体の中心の体温)を下げる必要があり
一度体の表面の温度を上げた後、
主に水蒸気の状態で発汗し体温を下げて入眠します。これが毎晩起きています。

蒸れないとよく眠れるという研究結果が


布団に入ってしばらくはこの水蒸気で蒸れやすいんです。

しかし、この入眠時の水蒸気を何らかの方法で処理すると
最初の3時間の睡眠が深くなるという研究結果が出ています。

また、最初の3時間の睡眠の質が良いと起床時の
”良く寝られた感”が上がると言われています。

水蒸気とかムレ感とか疑わしい、というアナタ。
試しに夏場にポリエステルやアクリルなどの
”化繊毛布”だけ掛けて寝てみて下さい。
どんなにエアコンを効かせても不快でなかなか寝られません。
↑私は試してみました。寝られません笑↑

睡眠に最適な温度と湿度がある

最近の研究で睡眠中の最適な環境は

  • 室内が夏期24~28℃・冬季13~21℃で湿度は共に50%。
  • 寝床内環境(ふとんの中の気候)が気温33℃で湿度50%

と言われています。

つまり、気温はこの際置いといて
年間通じて「湿度50%」という事が快眠できる環境なんです。

冬季はまだマシです。空気が比較的乾いていますから。
日本の夏は湿度が高いですから布団の中も蒸れやすいですね。

入眠時には毎日たっぷり水蒸気が出るのに
その水蒸気を減らさないと快眠できない…どうしましょうか

夏の眠りの湿度対策:どの素材をえらんだらいいの?

夏場、気持ちよく眠るためには
体から出てきて布団の中に溜まる湿気をどうにかしないといけませんね。

そのためには湿気を何かで吸収するか、布団の中から出しましょう。

湿気を吸収させるには…そう天然素材です。
再生繊維以外の化学繊維では吸湿性があまり見込めません。

ここで繊維の吸湿性を比較してみましょう
(ついでに熱伝導率も加えておきます)

繊維名 公定水分率(%) 熱伝導率(W/m・K)
綿 8.5 2.88
ウール 15 0.48
シルク 12 1.49
12 2.83
レーヨン 11 1.9

公定水分率の数値が高いほど吸湿性が高いです。

「ウール」がダントツですね。
次に「シルク」と「麻」が同じ数値で「レーヨン」の次に「綿」。

綿が5位というのは意外だったのではないでしょうか。
レーヨンは実は再生繊維と言って化学繊維のジャンルになりますが
原料は天然素材のパルプ(木材)なんです。ややこしいですね。

夏の眠りの湿度対策:素材別でどんなアイテムがあるの?

じゃ夏場のムレ対策にはウールの毛布を掛けて寝たらいいの?という事ではなく
ウールの敷きパットやウールの肌掛け、ムートンシーツなどがお勧めです。

ウールとかムートンって暑そうな見た目なのですが
実は夏でも快適です。信じられないでしょ。

私もムートンシーツを年間通じて使っていますが快適。
実際使った当店のお客様が「暖かいけど、暑くない」という
絶妙なコメントを残されています。

昨今の酷暑下ではエアコンを掛けて寝ないと熱中症が心配です。
ムートンはエアコンを掛けても冷えすぎないのがいいですね。

話を戻します。これらの天然素材をどう使ってムレ感を解消するかというと
これらの天然素材を使って一般的に販売されている寝具から考えて

  • ムートンシーツを敷く
  • ウールの敷きパットを敷く
  • ウールの肌布団(夏布団)を掛ける
  • シルクの肌布団を掛ける
  • 麻の敷きパットを敷く
  • 麻の肌布団を掛ける
  • 綿の敷きパットを敷く
  • 綿の肌布団を掛ける

という方法になります。
掛けと敷き上下で天然素材を使うとより快適ですね。

ただし注意点があって「麻の肌布団」は熱伝導率が高く、
綿より繊維の表面が平らで太いため冷えやすいです。
エアコンの設定温度を少し高めにしてみてください。

熱伝導率が高い素材は体から熱を吸いやすいので
さらに涼しさがUPします。

夏の眠りの湿度対策:湿気を布団の外に出すには

湿気を布団の外に出す、という方法もあります。

ゴアテックス生地のお布団など通気性の良い生地の布団だと
湿気を布団の中にため込まないため蒸れにくいです。

あとは”しじら”など表面に凹凸がある掛け物も
湿気を外に出しやすいですが、熱も逃げてしまうので
夏風邪が心配です。
明け方冷えるので私はあまり得意ではありません。

温度と湿度の調整をそれなりにこなしてくれる
ウール・シルク・麻・綿などをうまく使って夏を乗り切りましょう。
中でも体圧分散性能も最高なムートンシーツがお勧めです。
良い値段しますけども…当店でよく出るものではシングル20万円くらいしますから。

広島市近郊にお住まいの方でしたらご来店下さい。
より踏み込んだお話しができます。

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