長年使って旅立つまくら

オーダーの物も含めて、枕ってどうなったら
寿命&買い替えなんでしょうか?ワタクシまくら職人の見解です。
よく言われる枕の寿命は5年です。あくまで基準ですが…
ではどうなったら寿命なんでしょうか?
そして、それはなぜ寿命(つまり使えない、使わない方がいい)んでしょうか?

後半は、”それでも使う”という猛者に寿命を迎えた枕の延命措置の方法を紹介します。
方法がある場合は、ですが。枕の延命措置は自己責任でお願いします…。

枕の寿命その1・ペチャンコにヘタった



枕の寿命でまず挙げたいのは「ペチャンコにヘタる」です。

そもそも、枕を買う時って

  • よく眠れそうなもの
  • 高さが合っているもの
  • 気持ちよさそうな素材

なんかを基準にして選ばれると思うんです。
その高さが変わってきたら、寿命&買い替えを検討するべきです。

まくらの高さがヘタってくるとよく眠れなかったり
寝起きの肩や首にダメージが残ります。

枕の役割は睡眠中の頭と首を適切な高さに支える事です。
それが出来ないくらいヘタっていたら、
その枕は仕事をしていません。買い替えましょう。

経験上、低反発ウレタン系は男性なら5年が限界です。
(汗と脂が多いせいか男性の方が劣化が早いようです)

パイプ素材のヘタった枕を延命措置する方法は簡単。
「ヘタった枕に詰め物を足す」事です。
”替えの素材”が付いているまくらなら、それを使って下さい。
最近多いパイプのまくらだと結構な割合で”替えパイプ”が付いています。

ただし、使い込んだ枕は買ってから何年もたっていることがほとんどです。
替えの素材がない場合は、他の使わないまくらから流用しましょう。

他のまくらからパイプを足す場合
注意すべき点は足した「パイプの径(パイプの直径)」が違うと
時間とともに高さが低くなってくる、という事です。

大きい径のパイプ内に、小さい径のパイプが入ってしまうからなんですが、
しばらくは大丈夫です。

枕の寿命その2・枕の生地が破れた



「枕の生地が破れた」ら、やっぱりダメですね。
中の素材が出てきて、高さがどんどん低くなります。

パウダービーズなんか使っていると、もう掃除がオオゴトです。
ちっちゃい(ミリ単位です)無数のポリエチレンビーズが部屋中に飛び散ります。

その他の素材でも吸い込んでしまうと体に良くないですし、
お子さんやペットなんかも口にしてしまう可能性が。

まくらカバーを付けたままにしてだましだまし使うのもいいんですが
もう限界です。新しい枕を探しましょう。

側生地が破れた場合は、生地を縫って補修すれば延命可能です。
縫い目は一度針が通っているので、
細かい素材ならそこから出てくる可能性もあります。

枕の寿命その3・枕がひどく汚れてきた…



枕がひどく汚れてきたら、買い替えのサインです。
枕は頭皮の汗と脂で汚れやすいです。

パイプ等の洗濯できる枕なら丸洗いするといいです。
(→まくら職人が枕を実際に洗った話。洗い方の参考にしてください)

枕が汗と脂で汚れると不衛生です。ダニなどの可能性も出てくるので
枕はできるだけキレイな状態で使いたいですね。

ウレタン系のまくらなど洗えない素材の場合は、
まくらカバーを頻繁に洗って枕を汚れないようにしたり
ピローパット(まくら用のパット)などで枕を汚れからガードする
と清潔に使えます。

枕の寿命その4・素材の粉が出てくる。特にそば殻



↑画像はそば粉です。そばの中身は白いんですが
枕に使われるそば殻は黒いんです。

「素材の粉が出てくる」と書きましたが、これはほぼ「そば殻枕」限定です。

「そば殻の枕」は使い込んでいくと「そば殻」が崩れて黒い粉が出てきます。
まくらカバーや布団が汚れてしまうのでいい状態ではないです。

昔の方は、お盆前なんかに枕の側生地を開けて
タライに入れた水でそば殻を洗っていたそうです。

洗ったそば殻は新聞紙に広げ、縁側で天日干し。
ついでに枕の側生地も洗ってそば殻を詰めなおしたら…快適リフォームです。
虫(チャタテムシ)もわきにくい完璧なお手入れですね。

そこまですれば、そば殻の粉も除去できたでしょうけど
今、そこまでする方はいないでしょうね…。買い替えましょ。

そばまくらの延命措置は上に書いたような昔ながらのお手入れです。
大変ですが…試してみてください。

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