サイトアイコン 広島の老舗オーダー枕・寝具専門店|創業134年の木村寝具店

私が考える「枕の中材」に適した素材



最近では星の数ほど枕が発売されています。もうすごい数が世に出ていますね。

形状・側生地・詰め物などをいろいろ工夫された枕がありますが…そんな各種の枕ですが、今回はその中でも「枕の中材」について、
ワタクシ「まくら職人」が「睡眠環境寝具指導士」としての立場で考える
”こんな中材”の枕で寝て頂きたい、というものをご紹介します。

まくらの果たすべき役割は…


まずは、まくらの果たすべき役割ですが

「睡眠中の頭と首を適切な姿勢に保ち続ける事」

が第一です。
これができる素材ならば、あとは使われる方のお好みで選んでも大丈夫です。

寝具の中で「まくら」にしかできない事って「頭と首を支える事」なんです。
つまり枕の最重要機能って「支える」という事です。
これが出来なければ枕を使う意味はない、と言っても過言ではありません。

という事は、枕の中材はある程度の重量を支える保持力・反発力があるものでなくてはいけません。

頭と首を支え続けることができる素材



↑画像は、昔ながらの枕の中材「そば殻」です。

まくらによく使われる素材で…”ある程度の重量を支える力”が、
あるかないかを「枕を作ってきた経験」をもとに箇条書きにしてみますと

です。”あれ?あの素材もダメなの?”というものもあると思います。
でも、これが「いろんなまくらと素材」を見て来た私の結論です。

ちなみに”支える力が弱い素材”で枕を作ると
ほとんどの場合、頸椎弧(首の骨のカーブ)が浮いてしまうため、
支えのない首・肩に力が入り「とてもつらい寝姿勢」になります。

結果、肩・首がすごく張ったり、慢性的な肩こりになってしまいます。

まくらの中材は”支えが強ければいい”というものでもない。



とはいえ、”支えが強ければいい”というものでもありません。

極端な話ですが、支えが強いからといって木材や金属・石で枕をつくったら…
硬くて寝られません。横向き寝の時とか耳が痛くてたまらないはず。

仰向き寝に寝た時も…
人間の頭部って、基本的に骨と皮が多い上に、頭の重さは体重の8~10%あります。
硬い素材の枕に寝ると、重さのある頭と固い枕に挟まれて頭部の皮膚が部分的に圧迫され
血流が滞り不快感を覚えます。

すると、長くその姿勢を保つことができないので寝返りが増えますし、
そもそも冒頭の「適切な姿勢に保ち続ける事」が出来なくなります。

ですから、枕の中材には「適度なクッション性」も必要なんです。

例えば、パイプ素材でしたら
昔の旅館によくあったようなジャラジャラ音がするような”硬いパイプ”は不適です。
最近よく見る「ソフトパイプ」の方が使用感が良いです。

当店で作っているオーダーメイド枕
上層部に柔らかい素材を選択でき、下層部で高さの調整ができるようになっています。
「適度なクッション性能」と「高さの保持力」を併せ持つまくらなのでおススメです。

枕の高さが合っているか、とか通気性とかも大切



このようにまくらの中材は、
重さを支える保持力とある程度のクッション性が大切です。

そのほかにも…通気性というか熱がこもらない方が(特に夏場は)いいです
暑くてじっとしていられないと…そう「適切な姿勢に保ち続ける事」ができませんから。

ただ、そういった機能は「枕の中材」だけに求められるものではなく
枕の側生地に通気性をもたせたり、枕と一緒にひんやり系のピローパットを使う事でも解決できます。
”枕の中材とは別の部分”に仕事をさせた方がいいですね。

前に”敷き布団に必要な機能ってなに?”という話で触れましたが
”それにしかできない事を重点的にやってもらう”
”それ以外にできることはそれ以外のものにやってもらったらいい”という事は
なにかの目的に対して(ここでは快眠)、
道具をそろえる(ここでは敷き布団や枕)ための効率を考えた時重要だと思います。

あとは当然、「枕の高さが合っているかどうか」です。
これも全体的な高さではなく、部分部分によっての高さです。
ここを詳しくお話すると長くなるので…またの機会かご来店してお聞きください。

当店は広島市中区十日市町でオーダー枕を作っています

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