サイトアイコン 広島の老舗オーダー枕・寝具専門店|創業134年の木村寝具店

当店のハンガリー直輸入羽毛の産地を訪ねて・その1序章



羽毛布団と言えばハンガリー。超メジャーな産地です。

寝具の専門店である以上、一度現地を見て勉強してこなくては…。
そしてこの度、ついにハンガリーの視察に行ってまいりました。私「まくら職人」は、羽毛について「知識」はある程度以上もっている自負はありました。
寝具メーカーに勤めていましたし、その時は業界の裏話も聞こえてきたり。


でも、実際手にするのは生地で綴じた羽毛布団の製品ばかりです。
たまに「原毛サンプル」をもらっても、プラスティックの容器に入ったものを眺める程度です。

羽毛布団の良し悪しの見極めは

という方法。

そういった判断ももちろん大事ですが、
専門店であるならば

と言う事を
いつかは知っておかなければいけないと思っていました。

だって、あいまいな知識でいい加減な事をお客さんに話すの嫌じゃないですか。

大切なのは実地で経験・体験すると言う事。



実際に”見て”・”触れて”・”現場の臭いをかぐ”という事は
寝具の専門店として商品(ここでは羽毛布団)を語る上で、避けて通れないと考えています。

あと、農場や精製・製造の現場で皆さんがどんな努力や工夫をされているのか
直接、商品(ここでは羽毛布団)を使う方々に伝えたいという思いがありまして…。

みなさんいろんな努力をされているんです。ちょっとでも品質を上げようと頑張っています。
でも、その努力がなかなか使う人まで伝わらないんです。

ちょっと長くなりますが、グースの飼育・羽毛生産・精製の順を追ってお伝えしていきます。
が、まずは今回お世話になったハンガリー羽毛最大手「FBZ社さん」の紹介から

訪問時の時系列に沿った視察記録はまた後日。

ハンガリー羽毛製造大手のFBZ社さん



↑これはFBZ敷地内にて撮影。

今回お世話になったのは、当店のハンガリー直輸入羽毛を製造している
ハンガリー羽毛最大手FBZ社さん。ハンガリー羽毛の70%のシェアを誇ります。

FBZ社は、創業約30年。
と言う事はハンガリー民主化運動(1985年頃)が始まったあたりからなので凄いです。
※ハンガリーは、民主化運動までは社会主義国家だった。



↑FBZ社さんの契約している農場にて。
ゆったりと育てられているグースさんたち。

FBZ社さんの特徴としては…

などなど。

そのFBZ社を率いているのがCEOのバラダッチ氏↓



羽毛に対する熱量がスゴイ。もう羽毛マニアの世界です。

バラダッチ氏の言葉をいくつか紹介します。

バラダッチ氏曰く…

  • 「消費者の方に”なんでウチと組んだのか”と聞かれたら言って下さい”FBZ社は羽毛の将来に対して夢(ビジョン)があるからだ”と」
  • 「ウチは羽毛を時々スポットで買うような事はしない。卵やエサから一貫して管理しているから安定した品質が保てるんだ」
  • 「ウチは羽毛のメーカー・バイヤーではない。プロデューサーだ。(鳥の飼育からの一貫管理しているので)」

まさにバラダッチ語録。羽毛に対する思いが熱いです。

FBZ社さんで特筆すべきは、某有名アウトドアブランドとも取引があると言う事。
モンクレールさん、ノースフェースさん、パタゴニアさんと大きな取引をされているそうです。

従業員さんは120名。
年間5000tの羽毛原料を取り扱っているそうです。


↑ハンガリー全土から集まった羽毛のほんの一部

ハンガリー各地からたくさんの羽毛が集まるので、わずかしか採れないハンガリーの良質な羽毛原料もFBZ社に集まります。
そして原毛が良くないといい羽毛は精製できないので(バラダッチ氏曰く)
ハンガリー産の本当に高品質な羽毛は必然的にココにきます。

現在の工場は2000年に購入したもので
21の選別機と4つの羽毛洗浄機があるそうです。

実際に訪れて驚いたのは
工場内にうずたかく積まれた「膨大な量の羽毛原料」と羽毛の量に対する「においの少なさ」です。

後で触れますが、FBZの工場内に入ってくるまでに「素早くキレイに洗浄」しているので
FBZ内でストックされている羽毛はすでにもう「臭いにくい」んです。

この「臭いにくい羽毛」が実は「羽毛のふくらみ」「耐久性」にも重要な影響を与えておりまして…
この3つが連携する理由って興味がありませんか?

農場編・スローターハウス編・FBZ精毛編と
羽毛を作り出し行く工程別にその秘密を紹介していきます。

興味がある方は、農場編にどうぞ
当店のハンガリー直輸入羽毛の産地を訪ねて・その2グース農場編

当店は広島市中区の寝具専門店です

モバイルバージョンを終了