サイトアイコン 広島の老舗オーダー枕・寝具専門店|創業134年の木村寝具店

結婚の時に用意するお布団(婚礼布団)の話


最近ご結婚のお客様が続いたので
今回は結婚の時に用意するお布団のお話を少々。

ご結婚の布団を見に来られたお客様が
不思議と同じことを言われたんです。

婚礼布団、時代の変遷とともに変化してきました。

あ、ちなみに結婚の時にお嫁さん側のご両親が
結婚後のお布団を用意する習わしがあるって、そもそもご存知でしたか?
実はそういう伝統が昔からあるんですよ。

お家によってはお婿さん側が「迎え布団」という名前で
ご用意する事もあります。

変わらないのは、
親御さんの「結婚後もずっとぐっすり眠れるように」という気持ちです。

結婚の布団(婚礼布団)の変遷・【綿わた緞子のお布団】時代

そもそもの婚礼布団は、私が知っている限りでは

という、綿わたの布団です。

50年くらい前まではあったのかな?
正直私もこの世代ではありません。

今お目にかかるのは
布団の打ち直しの依頼時か不要なお布団の引取りの時です。

この婚礼のお布団。
中に入っている綿わたが外れなく、すっごく良いわたなんです。
で、客用のおふとんなので
数回使って押し入れに入れっぱなし。傷んでないんですね。

この時代のフルセットになると

という豪華絢爛仕様。
押し入れがたくさんないと到底しまえないボリュームです。

結婚の布団(婚礼布団)の変遷・【羽毛寝具セット】時代

その後、羽毛の掛け布団が主流になってからは

完全にそろえる方で上のようなセットでした。

ただ、この時代からは本人用に高品質な布団を用意して
来客用はとりあえず置いておく、収納が少なければ来客用はパス
という方もおられました。座布団までそろえる方は稀でした。

結納金をご用意された先方のお家に対して失礼があるといけないから
寝具もしっかり揃えるの、というお声はよく聞きました。

この羽毛寝具セット時代は40年くらい前からかなぁ?
私が寝具業界に入った20ン年前には、
すでにこの組み合わせが根付いていました。

婚礼のセットの主流は掛け布団がグースダウンの高級なもので
売れ筋(百貨店など)はシングル5点セットが10万円~15万円くらい。
という事はシングルセット×2と諸々買って
平均して婚礼一式で30万円前後の方が多かったと記憶しています。
※当時、関西の有名百貨店でメーカー営業として店頭販売に入っていました。

結婚の布団(婚礼布団)の変遷・現代は【フリーチョイス】時代

そして現在は名づけるとしたらフリーチョイス時代。
思い起こすと、10年くらい前からこんな感じですね。

みたいな組み合わせが多いです。

お好みの物をチョイスするので布団の柄(デザイン)はバラバラです。
そもそも布団の柄ってカバーを掛けたら見えないんですけどね。

近年、柄が揃いの「婚礼セット」はメーカーのカタログから姿を消しました。
理由としては昔ほど売れないから。

など「婚礼セット」が売れなくなった理由かと。

また、最近の高性能な敷きマットだと1枚で快適に寝られるため
羊毛の敷きパットとか使わない方が多いんです。

じゃ、婚礼のおふとんなんて買わなくてもいいじゃん。というアナタ。
最初のお客様の声を思い出してみて下さい。

婚礼のお布団を用意する事は
お二人のその後にとってとても重要なんです。

しっかりした婚礼のお布団を揃えると

という事が言えます。

良質な睡眠は健康面・メンタル面に必要不可欠

若い方でしたら、お手頃価格の少々薄い布団でも寝られます。
毎日ちょっとづつ睡眠不足になるかもしれませんが
体力もあるので何とかなるかもしれません。

しかし、私の経験上30代を迎える頃から

という日が増えてきます。

睡眠不足がしんどいのは皆さん経験済みだと思いますが
最近の研究結果では「睡眠はタンパク質の補修の時間」だと言われています。

タンパク質の補修とは、主に”脳の修復”を言われることが多くて
睡眠不足はメンタル面に悪い影響を及ぼすと言われています。

昼間疲れた脳が回復しないまま翌日を迎えるのですから
やはりよくないです。良質な睡眠は脳のため・メンタルのために大事。

話が少しそれましたが
お手頃な寝具、お家にあった使い込んだ寝具をお使いの方は
このタイミングで奮発して買い替えなくてはならなくなります。

まだお子さんも小さくて、手もお金もかかり
収入もそれほどでないタイミングでの寝具の買い替えです。
なかなかに辛い出費になります。

冒頭でお客様が言われたセリフ
「私は結婚の時の羽毛布団を今でも、30年使えている」
というものがありました。

良い婚礼布団をご用意されている方は
布団の買い替えをずっとしなくて大丈夫だったんですね。
家計が助かります。

ちなみに、この方もそうでしたが
羽毛布団は結構耐久性がありますが、敷き布団はさすがに無理です。
良いものでも10年ほどでヘタってしまうので買い替えになります。

量販店、スーパーで布団を見たけど何か違う

ご来店されたお客様が
「量販店やショッピングセンターでお布団を見たけど、なんか違う気がしたの…」
とおっしゃっていました。

実は同じメーカーでも量販店などに収めている商品は”ちょっと違う”
という事が多いです。

例えば、近年の量販店の羽毛布団はシングルサイズの充填量は
1.1㎏が基準なんです。しかし通常は充填量1.2㎏です。
これ、近年の羽毛原料高騰対策でこっそり羽毛の量を減らしていると考えています。
パッと見、高コスパな羽毛布団に見えますから。

羽毛の100gはかなり嵩が違います。
嵩が変われば保温力と耐久性にも大きな差が出ます。

新聞広告やチラシなどで高スペックな羽毛布団が特価で出ている事もありますが
よく見ると1.1㎏と小さい字で書いてあったり無かったり…
中には”側生地込みの重量”を記載してなんだかあやふやにしてる事もあります。

先ほどのお客様は量販店の店頭で実際にご自分の羽毛布団と比べて
「アレ?なんか違うわ…」と感じられたようでした。

また、寝具の説明ができる方は店頭にまずいないので
色々な質問も出来ないんです。高い商品を説明なしでは買いにくいでしょ。
量販店は本格的なしっかりしたお布団を置いていないのが普通です。

婚礼布団という伝統は体調と心がずっと健康であって欲しいという願いでは

さて、長文でお話しした婚礼布団の話。
いかがだったでしょうか?

この婚礼布団という伝統は、
結婚後の2人を思いやる親御さんの気持ちなのでは、と思います。
自分たちの手を離れていく大切なお子さんへの餞別、元気で頑張れという願い、
といったら大袈裟でしょうか。

もしもご婚礼のお布団に迷ったら当店に一度ご来店ください。
各種ランクのお布団をご用意しています。
また、寝具や睡眠の疑問にも大抵お答えできます。
メーカー勤務経験&百貨店営業担当で私、実は睡眠環境・寝具指導士です。

ご来店お待ちしております。

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