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オーダー枕に限らず、まくらの素材って
いろいろありますよね。

ここではまくらの素材とその特徴をちょっと紹介。

まくらの素材の考察|寝返りと硬さについて

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 人間の頭の重さは、全体重の8%以上(10%くらい)と言われています。

体重55kgの方で5.5kg、100kgの方で11kgです。

さらに、人間は一晩に20回前後の寝返りをうつと良い、って言われていますから

一か月で考えると
5.5kg~11kgの力で600回ゴロンゴロンされます(笑)

1年ですと
5.5kg~11kgの力で7200回ゴロンゴロン

まくらの寿命目安の5年だと
5.5kg~11kgの力で36000回ゴロンゴロンです(!!)

このゴロンゴロン(笑)を考えると、まくらの素材って
ある程度「支える力」「コシ」がないと、すぐにペッチャンコになってしまいます。

一方、人間の頭って基本ホネとカワなので、

硬い素材の枕は、寝ててつらいです。
硬い素材は、頭の荷重の分散をしにくいので、
重さが集中してかかる部分の血流が滞りやすくなります

柔らかさは必要、だけどコシがないとすぐダメになる
ムズカシイものです。

まくら・オーダー枕の素材|そば(そばがら)

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昔からのまくらの素材「そば殻」。

食用のそばの外皮です。
天然素材なので吸湿性が良く、適度なクッション性と耐久性があります。

昔からの素材としては粒が細かい(今は石油化学製品なら、粒の小さい素材は作れるでしょ)
上に、入手しやすい素材だったので
まくらの素材としてはイチオシだった、と思われます。

現在でもそばまくらが大好きという方もおられます。

いい素材なんです。なのですが問題が2点…

問題その1.そばアレルギー

そばアレルギーの方は絶対ダメです。

具体的には実験してないのでわかりませんが、
カイカイとかブツブツとかイガイガとか呼吸困難とか、が予想されます(笑)

まくらは、眠っている間、顔の近くにずっとあるものなので
そばアレルギーの方はやめておいてください。

問題その2.ムシがわく

ムシがわくことがあります。

ムシの名前は「チャタテムシ」

どこのご家庭にも必ずいるムシなのですが、
この子の大好きなものがそばと玄米。

一説によると、
チャタテムシはそばに生えたカビをこよなく愛していて(笑)

そういったまくらに付くとウワッと増えちゃうそうです。
(寝具メーカー勤務時代、一度だけ見たことが…。オモイダシタクナイ)

髪が濡れたまま寝たり、汗をかいて寝たあとそのまま押入れにしまったりすると…
エライことになる可能性があります。

昔の人は、そばまくらを日向でよく干したり
お盆には、タライに水を張ってそばがらを洗い
新聞紙に広げてよく干した後に、嵩が減った分そばがらを足して側地に戻す、
という作業をしていました。

今、そこまでする人はあまりいません。
なので、時々大発生することがあります。

そばまくらを使う場合は
マメに干して水分を飛ばす、というお手入れ方法で
ほぼ防げると思います。

水分がないと生物は生きられませんから。

まくら・オーダー枕の素材|パイプ

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プラスティックで出来ています。

簡単に言うとストローをハサミで切ったような形状。

パイプの径や長さ、素材の厚みによって
いろんな硬さを作り出すことができます。

わたし個人の考えですが、
パイプは、そばがらの化学的代用品なポジションだと思います。

そばがらと違って吸水性はありませんが、
その形状から、高い通気性が期待できます。

虫も湧かず、ホコリも出ないという点では、優れたまくら用素材だと思います。

まくら・オーダー枕の素材|ポリエステルわた

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ポリエステルわたは、洗濯ができるものが多く
現在、一番普及している「わた」だと思います。

石油化学製品なので吸水性はありません。
モノによっては、多少蒸れやすかったりもします。

各メーカーからいろんな種類のポリエステルわたが出ています。

まくらの素材|パンヤ

昔(と言っても15年~20年くらい前かな~)
よく見かけたまくら素材です。最近は見ませんね~。

当時、わたしはまだ寝具業界に入っておりませんでしたので
「パンヤのまくら」という単語だけは、良く聞いていました(ウチが寝具専門店なので)

ちょっと調べてみると…

カポックという樹木の木の実からとれるのが「パンヤ」だそうです
(カポックは別名「パンヤの木」なんだそうで…)

このパンヤ、油を大量に吸収する性質があり、近年では油吸収材として利用されているそうです。

もしかすると、それが原因でまくらの素材にパンヤが回ってこないのかもしれません。

パンヤはヘタリ易く、頻繁に干さないとペチャンコになりやすいです。

まくらの素材|ダウン・フェザー

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画像はダウンの塊「ダウンボール」です。

欧米では古くから使われていたまくら素材です。

ダウンは「タンポポの綿毛」に似た形状で、フェザーはいわゆる「羽根」です。

まくらに使う場合、大きなフェザーを使うとチクチク、デコボコしやすいので
スモールフェザーを使うことが多いです。

ダウンでまくらを作ると、肌触りはとっても気持ちいいものができますが、
コシがないので耐久性がちょっと…かもしれません(笑)

10年くらい前は、ダウンの枕を作っているところがあり…
結構売れました。気持ちいいふんわり感があるんですよね~。

まくらの素材|ウレタン系

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画像は、ウレタンシート入りのまくら。

近年、敷きふとんにも多用されているウレタン。

ウレタンは、大きく分けて2種類あります。

低反発ウレタン

ウレタン系敷き寝具の「人気の火付け役」となったウレタンです。

手で押さえるとジワッと沈み、モチモチした独特の肌触りが特徴です。

体圧分散に優れている、との触れ込みでしたが
そこはちょっとわからないです。

温度変化に弱く(暑くなると柔らかく、寒くなると硬くなる)
夏場のムレ感が結構…です。

高反発ウレタン

最近よく目にします。

高い反発力により、荷重をしっかり支え寝返りをうちやすくするウレタンです。

こちらも、夏場のムレには少々弱いです。
ただ、最近では「無膜ウレタン」という通気性を上げたウレタンもあります。

まくらの素材の考察|その他の素材

その他には、コルマビーズとか、パウダービーズとか、ウレタンチップとか…
たくさん種類があるので、キリがない(笑)

なので今日はこの辺で。