世間では、某格安旅行代理店の破たんで

お金は支払っているのに、航空券が発券出来なかったり

ホテルの予約が取れていなかったり…被害者の方は気の毒です。

企業努力でこの価格、とかよく言われますが

この不景気の中生き残っている企業さんは、可能な企業努力はもうやっています(笑)

今回の、て○みくらぶの事件は、

この商品、安いのには何か裏があるんじゃない?…と疑ってみる必要性を感じた出来事だと思っています。

寝具の世界にも…ありますね~。格安の商品。

先日、某寝具大手メーカーさんの商品課の方とお話させて頂いて…

思う事があったのでご紹介します。

羽毛肌掛け布団はなぜ臭いやすいのか?安い羽毛が臭う理由。

羽毛肌ふとんはなぜ安い。


羽毛の肌掛け布団(夏用の薄い羽毛布団)ってあるでしょ。

ダックダウン85%くらい・充填量0.3kg前後・シングルサイズで数千円で販売してます。

大雑把な話しをすると、

側生地の原価と縫製の工賃は、冬用のシングルサイズの羽毛布団(充てん量1.2kg前後)

とあまり変わらないんです。なぜかって言うと、サイズ同じだし(笑)
※但し、生地の価格はピンキリですから…違うかも。

そう考えると、羽毛肌布団に入っている羽毛って

妙に安いんですよね~。

この価格が可能なら、冬用の羽毛布団ももっと安くすればいいのにと思います。

企業努力で。でも、それをすると…。

羽毛肌ふとんは安くないと売れない


そもそも、羽毛肌布団などの夏物寝具は、

あまり値が張ると売れません。防寒用の羽毛布団とは使用目的の切迫度が違うからです。

なので、メーカーさんも四苦八苦して

この原毛高の中、価格を抑えています。

その「四苦八苦して価格を抑える」という部分に

羽毛肌ふとんが臭いやすい理由があります。

羽毛肌布団の原価を下げる方法・未成熟羽毛を使う


羽毛肌掛け布団の価格を抑える方法として、

未成熟羽毛を使う、という手段があります。というか、ほとんどそうしているようです。

未成熟羽毛とは、文字通り生育しきっていない鳥から採った羽毛で

特徴としては、

  1. ダウンボールが小さい(未発達)
  2. 羽毛の表面についているタンパク質(要はアブラ分)が多い
  3. 羽毛の根っこに脂肪分(コレもタンパク質)が残っている事が多い

というものがあります。

”1.ダウンボールが小さい”と羽毛布団はボリュームが出ません。

羽毛肌ふとんは夏用のふとんなので、まあ大丈夫。

ただし耐久性にも欠けるので、長持ちはしません。

また、本体縫い付けの品質表示に記載している、ダウン〇〇%は、

ダウンの量とフェザーの量を”重量で”比較するため

粒の小さい詰まったダウンボールがたくさん入ると、

値段の割にダウン比率が高い羽毛布団になります。

膨らまない羽毛布団になりますが…(笑)

”2.羽毛の表面のタンパク質が多い”は若鳥ならでは、です。

…若いのでアブラが多いのは人間も同じですね。

”3.羽毛の根っこに脂肪分が残る”は、理由は定かではないのですが、

若鳥は羽毛が抜けにくいのと肉質が軟らかいのが原因かもしれません。
※↑これはあくまで私の推測。

2・3に共通する、「タンパク質が多い」は羽毛の臭う最大の原因です。

羽毛布団の臭いの原因は、タンパク質がクサイ(←ダジャレかw)という以前の記事
↑結構いい線ついてる、というかほぼ正解でした(笑)

羽毛の臭いの原因は、タンパク質を食べるバクテリア



羽毛の臭いの原因は、羽毛のタンパク質を食べるバクテリアです。

「このバクテリアの死骸が羽毛の臭いの原因です」

と冒頭の某大手寝具メーカーの商品部長さんが断言していました。

ですから、

  • 羽毛に付いたタンパク質をギリギリまで洗浄する事
  • 洗浄した羽毛を消毒してバクテリアを除去する事
  • 洗浄後の羽毛に再度バクテリアを付着させない事

が、羽毛の臭いを防ぐ(それでも無臭はあり得ない)方法なんだそうです。

しかし、タンパク質を除去しすぎると…スッカスカの膨らまない羽毛になってしまうので

ギリギリの線を狙って丁寧に洗うんですよー(笑)だそうです。

ウチのお店でもよくお話するのですが、

羽毛布団の水洗いも、頻繁にすると羽毛が膨らまなくなっちゃいますよ。

羽毛布団の臭い、原毛の洗浄に原因があるのではと考えた記事
↑後半に洗浄が原因かも、という話しあり。

つまり原価が安い”未成熟羽毛”は臭いやすい


すでに触れましたが”未成熟羽毛”には、付着したタンパク質が多く

それを食べるバクテリアのせいで臭いやすいです。

羽毛表面のタンパク質は、洗浄を丁寧にすれば落ちますが
※しかし、原材料費を安く抑えると、コストの関係で「丁寧に洗う」ということ自体難しい。

未成熟羽毛の根っこについた”脂肪のカタマリ”は落ちません。

この羽毛の根っこに付いた”タンパク質”は、未来永劫臭い続ける原因となるので…

安い羽毛肌掛けふとんはヘンな臭いがする、となります。

羽毛肌掛け布団が臭いやすい理由、納得できましたか?

以上の話は、羽毛の肌掛け布団に限らない

以上の話は、安い”羽毛肌掛け布団”の話に限りません。

羽毛原料のコストを下げて、羽毛掛け布団(冬用)を製造した場合にも同じ事が言えます。

安い羽毛原料は、輸送コストを下げるために、

羽毛をギュウギュウに詰め込んだパッケージで送ってこられるため、

原毛の損傷も激しいんです。ダウンボールも崩れます。

そりゃそうです。企業努力でコストを下げないといけませんから(笑)

しかし、品質を下げてコストを抑えた商品って…。どうなんでしょうか?

よく、ふとんを圧縮して収納するビニール袋を売っていますが

ふとん屋さん・寝具メーカーともに、アレはおススメしません。

なぜなら、ふとんがペチャンコになって戻らなくなるから(笑)

輸送コストを下げるために、ギュッと圧縮して送るって、どこかで見たような…。いや独り言です(笑)

結局私が言いたい事は…

ふとんは実物を見て確認してから買った方がいいですよ、と言う事です。

だって、ニオイとか分からないし…ボリューム感は実際触らないと…。

安いものには訳があります。