しばらく暑い日が続いていましたが、また空気がヒンヤリしてきました。

広島市内は、この先1週間最低気温が15℃前後。寒くなりそうです。寒くなってくると、あったかい羽毛布団が恋しくなります。

先日、羽毛布団を買いに来られたお客さまで「綿の生地がいいの」と言われた方がおられました。

羽毛布団の生地・種類はいろいろ



↑羽毛布団の生地、一例です。

羽毛布団の生地はいろいろです。
ウチの店内を見ますと…

  • 綿100%生地(60サテン・80サテン・100単サテン・200双糸など)
  • 綿100%生地(ゴアテックス)
  • 綿60%ポリエステル40%生地
  • ポリエステル85%綿15%生地
  • 綿70%ポリエステル30%生地
  • ポリエステル40%綿30%レーヨン(モダール)30%生地
  • リヨセル70%ポリエステル28%綿2%生地

などなど…。たくさんありました。

綿100%の生地以外のポリエステルが混じっている生地は、
ポリエステル混紡と呼びます。

羽毛布団の生地・綿100%じゃないとイヤ



↑綿花です。

羽毛布団の生地は綿100%じゃないとイヤだ、という方に理由をお聞きすると…

  • なんとなく
  • 天然素材が好き
  • 吸水性が良さそう

と言われることが多いです。

でも、羽毛布団はカバーを掛けて使うので
生地が直接肌に触れることは、ほとんどありません。

羽毛布団の生地・綿の生地は通気性がいい?


↑涼しそうなイメージです。

同業の寝具専門店の方には、「綿生地は通気性がいい」という方もおられます。
しかし、生地の通気性は、
生地を織っている糸の太さや、織りの隙間の大きさが関係するので一口には言えません。

しかも、羽毛布団に使われる生地は、羽毛が吹きだないように
「ダウンプルーフ加工」という「生地の目つぶし加工」を掛けています。

※ダウンプルーフ加工とは、生地に樹脂と熱と圧力をかけて糸と糸の間の隙間を潰す加工。

羽毛布団の生地は、綿であろうとポリエステル混紡であろうと
そもそもが通気性を犠牲にした生地なんです。羽毛が吹き出さないように。
※ゴアテックス生地など、一部羽毛布団を除きます。

ですから、通気性は
綿100%であろうとポリエステル混紡であろうとあまり関係ないといえます。

「じゃ、綿100%生地でもポリエステル混紡生地でも同じなの?」というアナタ。
これが違うんですよ。実感できるレベルで違います。

羽毛布団の生地・綿生地には吸水性がある

綿100%の生地とポリエステル混紡の生地の違いを実感する方法は…。
綿100%・ポリエステル混紡、それぞれの生地を使った羽毛布団を並べて
両手をのせるだけ。



 簡単でしょ。

手のひらが乾燥している方は実感しにくいですが、
1分も置いておくと、ポリエステル混紡の生地に置いた手のひらは
ジメッとし始めます。

このジメジメ感の正体は、手のひらから常時出ている湿気です。

綿100%の生地は、吸水性が高いので手のひらからの湿気は吸収してくれますが、
一方、ポリエステル混紡の生地は、綿生地ほど水を吸ってくれません。
このため、手のひらに残った湿気がジメジメした感じを生むんです。

公定水分率という吸水性の指標があります。
この数値が高ければ高いほど吸水性が高いです。

公定水分率

  • 綿:8.5%
  • ポリエステル:0.4%

綿はポリエステルの20倍です。
よく水を吸いますから、手のひらがサラサラなんです。

たかが布一枚、と思われるかもしれませんが
シングルサイズの羽毛掛け布団の面積は3.15㎡。結構な吸水量になるはずです。

羽毛布団の生地・綿100%生地はサラッとしやすい

綿100%の生地は、通気性でなく吸水性でサラッとしやすいわけです。

ウチのお店に羽毛布団を買いに来られたお客さまには、
一番求められている機能をお聞きして商品を提案しています。

ポリエステル混紡生地の羽毛布団には、生地の軽量をうたったものもあるので
軽い羽毛布団をお探しの方には、そういったポリエステル混紡生地の羽毛布団をおススメします。

そういった方で、「綿100%生地がいい」と言われる方には
「生地がポリエステルでもカバーを綿100%のものにすれば吸水性は保たれますよ。」
とお話しします。生地の代わりにカバーに水分を吸ってもらうわけです。

もちろん、ムレ感が気になる方や汗かきの方は”綿100%生地”の羽毛布団です。
綿100%カバーと綿100%生地で吸水量が2倍になりますから。

もし羽毛布団のご相談があれば…ご来店ください