musimegane

今年ももう少しですね。

さすがに12月。夜が寒くなりました。

皆さんはどんな掛け布団で寝ていますか?

いろんな掛けふとんがありますが、”どれが一番暖かい”か気になりません?

テレビやネットで宣伝してる”ヒートなんとか”とか”なんとかウォーム”とか…

ホントにあたたかいの?

日本睡眠環境学会の抄録集に面白い実験が載っていたので、紹介します。

  • 掛けふとんの”重さ”で保温力がどう変わるか
  • 掛けふとんの”厚み”で保温力がどう変わるか

を”主要な掛け布団の素材別”で実験した結果です。

以下、古田土賢一先生の実験と考察です。

実験環境

  • 温度20℃
  • 湿度65%RH
  • 無風
  • 発熱体・・・カーボンヒーター

です。

カーボンヒーターの電源投入後、3時間以上連続測定を行い

ふとんの温度が安定してから算出しています。

実験素材は、

  • 綿(1.0kg、1.5kg、2.0kg、2.5kg、3.0kg)
  • ポリエステル(0.6kg、0.9kg、1.2kg、1.5kg、1.8kg)
  • 羊毛(0.83kg、1.25kg、1.67kg、2.09kg、2.5kg)
  • 手引き真綿(シルク)(0.83kg、1.25kg、1.67kg、2.09kg、2.5kg)
  • 羽毛(※ダウン80%フェザー20で)(0.5kg、0.75kg、1.0kg、1.25kg、1.5kg)

です。()内は重量です。

羽毛のスペックがちょっと低いような…

また、詰め物重量が一般的に販売されているものと違うので、

これらは、実験用に作ったふとんです。

素材別、厚さの違いによる保温力は…

futonthickness-thermal

↑縦軸と横軸を日本語に直し、グラフの線が薄かったので線を引き直し、色を付けています。
引用:掛け寝具の充填物別の保温特性 古田土賢一先生より

各試料の厚さと保温力性の関係をまとめたグラフである。
同じ厚さであっても、最も保温性が高いものと低いものでは約2.0clo~3.0cloの差を生じていた。
羽毛ふとん、綿ふとんが同じ厚さでも高い値を示し、羊毛ふとん、ポリエステルふとんの保温性は低い値であった。
この中で絹ふとんは他の試料とは異なった特性を示し、薄いときは保温性が極めて低い値を示し、厚さの上昇とともに保温性の増加率が大きい特異な結果であった。

引用:掛け寝具の充填物別の保温特性 古田土賢一先生より

との事。

各素材共に、厚みが増えるとともに遮熱効果(保温性)が上がっています。

ただし、その上昇率とスタート地点の暖かさ(厚み1cm前後)が違います。

やっぱり羽毛布団と綿布団は暖かい!!

そして、掛けふとんの保温力は”厚いものが暖かい”なんです。

素材別重量の違いと保温性

futonweight-thermal

↑縦軸と横軸を日本語に直し、グラフの線が薄かったので線を引き直し、色を付けています。
引用:掛け寝具の充填物別の保温特性 古田土賢一先生より

各試料の重量と保温性関係をまとめたグラフである。
同じ重量として比較すると羽毛ふとんが飛びぬけて保温性が高い値を示していた。
特に軽量時の状態での差は顕著であった。(中略)
重量と保温性能の関係に関しては、充填物の密度と密接な関係が考えられる。
同じ重量のふとん製品では、いかに密度が低く、多くの空気を含んでいるかで保温性に差が生じる。

引用:掛け寝具の充填物別の保温特性 古田土賢一先生より

との事。

羽毛はダントツ。その他の素材では綿がちょっと暖かいです。

厚さ、重量ともに各素材の保温性のグラフの傾きは違うので、

ある一定の重さ、厚みを越えると

”この素材よりこの素材の方が暖かい”という結果になっています。

暖かさの分岐点、厚み編

chfutonthickness-thermal

  • 厚みが、約18mmを越えると
    綿の掛け布団より、シルクの掛けふとんが暖かく
  • 厚みが、約22mmを越えると
    ダウン・フェザーの掛け布団よりシルクの掛けふとんが暖かく
  • 厚みが、約38mmを越えると
    ダウン。フェザーの掛け布団より綿の掛けふとんが暖かく

なります。

しかし、ポリエステルはどの厚みでも他の掛けふとんに保温力で負けています。

また、綿わたの掛け布団でしっかりした厚みを出そうとすると…

重たいふとんになるので、実際使う場合は気になる所です。

重たすぎる掛けふとんは、肺を圧迫するので

”暖かいけど、寝苦しい”と感じる方もいるでしょう。

暖かさの分岐点、重さ編

chfutonweight-thermal

  1. 重さが約0.25kg/㎡を越えると
    ウールよりシルクの掛けふとんが暖かく
  2. 重さが約0.53kg/㎡を越えると
    綿よりポリエステルの掛けふとんが暖かく
  3. おそらく重さが約1.0kg/㎡を越えると
    綿よりシルクの掛けふとんが暖かく

なります。

そして、重さ別にみた場合、羽毛布団の暖かさはダントツです。

重さを相当ふやさないと、どの素材も羽毛には勝てません。

掛けふとんの暖かさを実際の製品で考えると…

まず、大前提として

掛け布団のシングルサイズの面積は

1.5m×2.1m=3.15㎡です。

前項”1.”の0.25kg/㎡で計算すると、詰め物重量は0.7875kg

と言う事は…

手引き真綿の掛け布団の0.8kg入りとウール肌掛け布団の0.8kg入りだと

手引き真綿の方が暖かい、逆に言うと0.8kg以下ならウールの方が暖かい、と言う事です。

こんな計算方法で、実際によく見る商品の暖かさを比較してみましょう

掛けふとんのスペック(シングルサイズ) 面積当たりの充填量(kg/㎡) 暖かさ(clo)
羽毛肌ふとん(0.2kg) 0.0635 不明
羽毛肌ふとん(0.3kg) 0.0952 不明
羽毛肌ふとん(0.4kg) 0.1270 不明
羽毛合い掛け(0.6kg) 0.1905 4.5clo
羽毛掛け布団(1.0kg) 0.3175 5.2clo
羽毛掛け布団(1.2kg) 0.3810 5.6clo
羽毛掛け布団(1.3kg) 0.4127 5.9clo
洗える真綿掛け布団(0.25kg) 0.0794 不明
真綿掛け布団(0.5kg) 0.1587 不明
真綿掛け布団(1.0kg) 0.3175 2.5clo
ポリエステル肌掛け布団(0.5kg) 0.1587 1.8clo
ポリエステル掛け布団(1.5kg) 0.4762 4.2clo
ポリエステル掛け布団(1.8kg) 0.5714 4.8clo
綿肌ふとん(0.8kg) 0.2540

3.2clo

綿掛け布団(4.5kg) 1.4286 6.8clo
ウール肌掛け布団(0.8kg) 0.2540 2.3clo

ウール掛け布団(1.8kg)

0.5714 3.3clo

掛けふとんの暖かさ比較・まとめ

表にしてみて分かった、興味深い点は…

  • ポリエステル肌掛けふとん(1.5kg)と羽毛合い掛け布団(0.6kg)の保温力はほぼ変わらない(驚)
  • 綿の肌掛け布団(0.8kg)とウールの掛け布団(1.8kg)の保温力もほぼ同じ(へー)
  • ウールの保温力はかなり低い。埋まらない差が…(意外)
  • 薄めのポリエステル掛けふとんは、かなり寒い

※薄すぎて計測グラフが出てない所は不明にしています。

結果的には…羽毛が軽くて暖かいと言う事です。

なんとなくわかっていたけど、やっぱりねー。